スオミ教会・フィンランド家庭料理クラブの報告

11月のスオミ教会・料理クラブは13日と18日の2回、両日とも秋の爽やかな陽気の中で開催しました。今回はフィンランドのカフェでもよく見かけるサーモンパイです。

初めに、いつものようにお祈りをしてスタート。まず、パイ生地を作ります。

それを冷蔵庫で寝かせている間、パイのトッピングを作ります。焼いたサーモンをほぐし、他のトッピングも準備します。ディルを細かく刻むと香りが漂い出来上がりがますます楽しみになります。パイ皿に生地を伸ばして、その上にサーモンをたっぷりのせてトッピングを流しこんだ後オーブンに入れます。オーブンからサーモン、生地、ディルの合わさった豊かな香りが広がりました。

焼き上がったパイを切ってお皿にサラダと一緒にのせてみんなで美味しく楽しく味わいました。そこでフィンランドのお魚と聖書に出てくる「漁師」についてお話がありました。

次回12月11日はもう待降節・アドベントの期間です。それでフィンランドのクリスマスのお菓子を作ります。

詳しくは教会のホームページの案内をご覧ください。皆さんのご参加をお待ちしております。

 

料理クラブのお話2021年11月13日18日

フィンランドは湖や川がたくさんある国です。湖や川の魚の種類は多く、魚釣りが好きな人も多いです。昔、魚釣りは趣味ではなく、食料を得るための仕事でした。それで、魚釣りはどの家庭でも行われ、魚は一番よく出されたおかずでした。

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時代は変わって、魚は家で捕るものではなくなって店で買われるようになりました。その頃から海で捕れるいわしが食べられるようになりました。いわしは沢山捕れたので安く買えました。まだ冷蔵庫がない時代には、秋に家庭でいわしを沢山買って、塩づけにして保存して、冬中ずっと食べていました。私の子供の頃も家でいわしを塩づけにして保存して何か月も食べていました。残念なことに、現在いわしを食べるフィンランド人は少なくなり、一年に一人当たり300gだけ食べるそうです。近年トゥルクやヘルシンキでは秋になるといわしの市場が開かれるようになって、そこではいわしだけでなく他の魚で作った料理や保存食も売っています。このいわし市は、冬に向かうフィンランドの秋の大きなイベントになって沢山の人が訪れます。

今フィンランドではどんな魚がよく食べられるでしょうか?まず、湖や川で捕れる白身の魚がよく食べられます。海の魚ではいわしとニシンとサーモンがよく食べられますが、一番よく食べられるのはサーモンです。サーモンはフィンランドで養殖したものか、ノルウェーの海で捕ったものかのどちらかです。サーモンは昔は高価な魚だったのでクリスマスのようなお祝いの時にしか食べられませんでした。しかし、今では普段の日にもよく食べられるようになりました。サーモンを使った料理のなかで、サーモンスープが伝統的なものですが、オーブンやフライパンで焼いたり、スモークサーモンにしたり、生のものを塩漬けにしたりして食べます。

私は、日本のお店で売っている魚を見て、種類の多さにびっくりします。フィンランドの普通のお店で生で売っている魚の種類は少なく、いわしとサーモンとあと何か白身の魚が1種類くらいあるだけです。日本の方がフィンランドに旅行すると種類の少なさにきっとびっくりするでしょう。

さて、聖書の時代にも魚はよく食べられていて、漁師は普通の職業でした。今日はこれから聖書に出てくる漁師についてお話ししたいと思います。

ある日イエス様がゲネサレト湖という湖にやってくると、2人の漁師が舟からおりて、網を洗っているのを見かけました。そのとき、大勢の群衆がイエス様の教えを聞こうとして、彼の周りに集まって来ました。イエス様は漁師のシモン・ペテロの舟に乗って、少し岸から離れた場所まで行って、そこから岸辺にいる群衆に向かって神様について教えました。

話し終えてからイエス様はペテロに「舟を少し冲に漕いで、そこで網を下ろしてみなさい」と言われました。ペテロは、「先生、私たちは夜中苦労しましたが、何も捕れませんでした。しかしお言葉ですから、網を下ろしてみましょう」と答えました。ペテロは漁師なので魚のことはよく知っていました。もし夜魚が捕れなかったら、昼はもっと獲れない、と思ったでしょう。それでもペテロは、イエス様の教えをいつも聞いていてイエス様を尊敬していたので、言われた通りにしました。するとどうでしょう。信じられないことが起こりました。網が破れそうになるくらいに大量の魚がかかって、その重さでペテロの乗っている舟ともう一そうの舟は沈みそうになりました。

2006-07-28 by MMBOX PRODUCTION

ペテロはこれを見て、どう思ったでしょうか?彼はイエス様の足元にひれ伏して、こう言ったのです。「主よ、私から離れてください。私は罪深いものです。」ペテロはお礼を言うどころか、こう言ったのです。どうしてでしょうか?この時ペテロは、今起こったことは神様の力で起きたと信じたのです。それで自分の前にいるこの方は神聖な神のみ子で、この方の前では自分など罪深い者にすぎない、とわかったのです。それで「私は罪深いものなので、どうか私から離れてください」と言ったのです。しかし、イエス様はペテロから離れないで、次のように言われました。「恐れることはない。これからは、あなたはこれからは、あなたは人間をとる漁師になる。」そこでペテロは舟を陸に上げて、イエス様は神様の子だから信頼して大丈夫な方だと信じて、全てを捨てて従って行きました。ペテロはイエス様の弟子の一人になったのです。

このようにペテロはイエス様と出会って、イエス様に従って行きました。私たちもイエス様と出会うことができます。それは、聖書のみ言葉を読んだり聞いたりする時にできるのです。聖書のみ言葉を読んだり聞いたりすると、私たちは神様のみ前では罪深いものであることがわかります。しかしイエス様は私たちから離れないで、一緒にいて下さるのです。どうしてでしょうか?それは、イエス様は私たち人間を救うためにこの世に来て下さったからです。私たちは神様の計画によって、天の神様のみもとに行くことが出来るようになります。それはどんな計画でしょうか?私たちが罰を受けないようにと、イエス様は私たちのかわりに十字架にかけられて死なれました。それから三日目に復活させられて天に昇られました。これが神様の計画です。神様はイエス様の十字架のおかけで私たち人間を許して下さるのです。このように神様の人間に対する愛は罪を赦す愛なのです。

イエス様はペトロだけでなく私たちにとっても信頼して大丈夫な方です。ペテロが見たような奇跡を私たちも見ることが出来るかどうかは分かりません。しかし、イエス様が十字架の業を受け入れてイエス様を救い主と信じると、神様のみもとに迎え入れてもらえるというのは確かなことです。イエス様は十字架の業を世界の全ての人々のために成し遂げて下さいました。それで私たちもそれを受け取ることが出来るのです。「あなた方をお招きになったなった方は、真実で、必ずそのとおりにしてくださいます。」テサロニケの信徒への第一の手紙5章24節です。イエス様は私たち一人一人を愛して下さり、ご自分に従ってついてくるように、と招いて下さいます。

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