2021年度の主題と主題聖句

スオミ教会の2021年度の主題と主題聖句について以下の宣教師提案が2月7日の教会定例総会にて採択されました。

主題「試練と不運の真っ只中でも神に感謝することはある。それを忘れないでいこう。」

主題聖句 詩篇118篇1節「主に感謝せよ。主は良い方なのだから。主の慈しみは永遠にあるのだから。」(フィンランドのルター派国教会の1938年版聖書に倣った訳)

提案理由

コロナ禍のこの1年、多くの人たちが苦難や困難に陥りました。感染を免れても別の苦難や困難がありました。この状況はまだ続きそうです。このような時、キリスト信仰者はどのように苦難や困難に立ち向かっていけるのか?詩篇118篇1節の御言葉についてルターが説き明かしたことは、立ち向かう心構え、基本姿勢を教えています。それを以下に引用します。

我々はいかなる不運に直面しても、それは本当は神が我々に灯した光なのだと理解しなければならない。それは、神の恵みと善き業が実は数えきれないくらいの出来事の中にあったことが照らし出されて見えるようになるための光なのである。まさにその時、不運などというあの取るに足らない害悪は、我々からすれば燃え盛る炎に落ちていく一滴の雫にしかすぎなくなる。あるいは、大海の中に落ちていくちっぽけな火花にしかすぎなくなる。そのようになっていくのは、まさにこの聖句が我々にとって身近で麗しいものになるためなのである。「主に感謝せよ。主は良い方なのだから。主の慈しみは永遠にあるのだから。」この御言葉で言い表される気持ちは次のようなものになろう。「ああ、あなたは私になんと誠実で慈しみ深い神聖な神でおられることか。私に対してもこの世全てに対してもこんなに大きくて沢山の善いことをいつも行って下さるのだから。私の感謝は全てあなたに帰せられますように。」

これと同じ聖句は聖書の中、特に詩篇の中でしばしば用いられる。この聖句は我々に正しくて神の御心に最も適う捧げものについて教えてくれる。我々は、神に感謝する以上に大きくて優れた業を行うことはできないし、心がこもった礼拝を守ることもできないのである。

この説き明かしでルターは私たちが見落としがちなことを強く教えています。苦難や困難に陥った時、私たちは神に助けを祈りますが、その時、神に感謝することがあるなどとは思いもよらないでしょう。逆に苦難や困難がない時は、感謝するどころかさして祈る必要もないという態度でしょう。しかし、いつも神に感謝できていると、不運は一滴の雫、ちっぽけな火花に変わってしまうのです。自分の人生は不運だらけだった、だから神に感謝することなどない、などという考えはキリスト信仰者には無縁です。なぜなら神がひとり子を私たちに贈られたことが全ての感謝の基礎にあって中心にあるからです。このひとり子が十字架の死を遂げて私たちの罪を神に対して償って下さったおかげで私たちは神との結びつきを持ててこの世を生きられるようになりました。そのような御子を贈って下さった神は良い方です。さらに彼を死から復活させることで私たち自身が将来の新しい世の復活に到達できる道を切り開いて下さいました。それで神の慈しみは永遠にあるのです。

詩篇118篇1節は、新共同訳では2~4節の形にあわせて「恵み深い主に感謝せよ。慈しみはとこしえに」と詩的に訳しています。ヘブライ語原文を直訳すると冒頭に掲げたような「主に感謝せよ。主は良い方なのだから。主の慈しみは永遠にあるのだから。」となります。なぜ主に感謝するのか、それは、主が良い方だから、その慈しみが永遠にあるからだ、と理由を言っているのです。その方がルターの説き明かしとよく合うのではと考えて直訳を掲げた次第です。余談ですが、フィンランドのルター派国教会の1938年版聖書もこのように訳しています。

 

 

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