スオミ教会・フィンランド家庭料理クラブのご報告

2020年の最初の料理クラブは、あいにく冷たい雪交じりの雨の日の開催でしたが、それでも8名の方が参加されました。

料理クラブは、最初にお祈りをして始めます。

今回はフィンランドの食卓パン「サンピュラ」と田舎風サラダ「マーライス・サラーッティ」を作ります。初めにパンの生地を作り、温かい場所に置いて発酵させます。その間にサラダに入れるポテトをフライパンで焼いて冷ましておきます。

パンの生地はあっという間に大きくふくらみました。生地を丸い形に分けて鉄板に並べます。そこで二回目の発酵をさせます。その間にサラダの材料を刻んで、ボールに材料の段を重ねていきます。レッドオニオンとサーモンを上にのせると、きれいな色のサラダの出来上がりです。オーブンからはパンが焼きあがる香りが部屋中に拡がりました。

試食の時間です。オートミールとライ麦粉が入った焼きたてのパンは香ばしく、いろんなスパイスと酸っぱさのある田舎風サラダによくマッチしました。

参加者の皆さんお疲れ様でした。

次回の料理クラブは2月になります。詳しいことはホームベージをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年1月18日 フィンランドのパンの話

今日は皆さんと一緒にフィンランドのパン「サンピュラ」を作りましたので、フィンランドのパンについて少しお話ししたく思います。パンはフィンランド人の食卓の中で最も大事な食べ物です。特に私の父くらいの年令の人はパンの大切さをよく知っています。もしパンがなかったら、もうそれはご飯にならない、と言うくらいパンは食事の重要な一部です。かつてパンは店で買うものではなくて、いつも家庭で作られました。それで、パンの味もそれぞれの家庭の味になりました。

フィンランドは、パンを作る習慣によって東と西の二つの地方に分かれていました。東の地方では、柔らかくて厚めのパンでしたが、西の地方のパンは薄くて、円形の形の真ん中に穴があいていました。作る回数も違っていて、東の地方では毎週パンを作る曜日がありましたが、西では一年に2,3回しか作りませんでした。ところで、西の地方ではどうしてパンの真ん中に穴を作ったのでしょうか?それは、その穴に棒を通してパンを天井にかけたからでした。棒にかけたパンは涼しい場所に置かれて保存されました。このようにしてパンは長持ちしたのです。そのようなパンはフィンランド語でレイカレイパ、訳すと「穴のパン」と呼ばれます。

現代のフィンランド人の毎日の食事の中でパンはまだ重要な食品の一つです。2018年フィンランド人はパンを一人当たり41キロ食べました。それは毎日一人当たり4個食べることになります。フィンランド人の食事の中のパンの重要性は、例えば毎年「パンの週」という行事があることでもわかります。それは大てい毎年9月にあって、テーマも毎年変わります。去年のテーマは「オートミールを食べよう」でした。その目的は、この行事を通して多くのフィンランド人がオートミールの健康的な影響を知るようになること、そしてオートミールが入っているパンをもっと食べるようになることです。最近オートミールはフィンランドでは健康食品の一つにもなりました。オートミールには、ミネラルやビタミンの他に体に良い繊維や油が入っています。オートミールに入っている繊維は、体の糖分やコレストロールのバランス、そして腸管や心臓にもよい影響があると知られています。最近フィンランドではオートミールが入っている新しい食材が増えて沢山売られるようになりました。

オートミールが入っているパンに少しマイナスなこともあります。例えばオートミールが入っているパンはあまり長く持ちません。それから、他のパンに比べてボロボロにくずれやすいということもあります。それは、オートミールにはねばり強さがないためです。

食事のパンは私たち人間にとって大事なものですが、新約聖書の「マタイによる福音書」にはイエス様がパンについて言われた有名な言葉があります。「人はパンだけで生きるのではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」と言っているところです。イエス様はこの言葉をどんな意味で言われたのでしょうか?イエス様は、私たち人間にとって肉体的な栄養になる食べ物は大事だけれども、それに加えて魂のための霊的な栄養も必要だと教えているのです。パンや他の食べ物は私たちが生きるために重要なものです。これらは毎日食べていると、得られるのが当たり前の感じがしてしまいます。でも、これは本当は神様が良いみ心を示して私たちに与えて下さるものなのです。それで、私たちは食べ物のことで神様に感謝しなければなりません。

さらにイエス様は、パンよりもっと大事なものがあると言われます。それは、食べ物を与えて下さる神様の口から語られる一つ一つの言葉です。神様の口から出る言葉とはどんな言葉で、どこで聞くことができるでしょうか?聖書を読むと神様の言葉に触れることが出来ます。聖書を読むと、神様はどんな方なのか、神様の人間に対する愛がどれだけ大きいかを知ることが出来ます。神様の人間に対する愛は、たとえこの世が終わっても終わらないくらい強い大きな愛であると聖書は教えています。その強い大きな愛についてイエス様は次のように教えました。「神は、その独り子のイエスをお与えになったほどに、この世を愛された。それは独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」ヨハネ福音書3章16節にある有名な言葉です。パンが私たちの体に栄養を与えるならば、神様の言葉は私たちの魂に栄養を与えてくれます。だから、人はパンだけで生きるのではなくて、神の口から出る言葉で生きるのです。神様の御言葉を信頼して心で受け取ると、心は毎日力づけられます。

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