宣教師館の窓から

宣教師のフィンランド大統領との会見記

先月日本を訪問したニー二スト・フィンランド大統領を歓迎するレセプションが在京フィンランド大使館にて開催され、Sley宣教師の吉村夫妻も招待されました。以下はそのことについてスオミ教会の週報(10月27日付)に掲載された報告です(個人名は伏せました)。

ニー二スト・フィンランド大統領からの労い言葉

 この度の天皇の即位式に出席するためフィンランドからニー二スト大統領が来日し、その前日の月曜日(21日)、在京フィンランド大使館にてレセプションが催されました。私たち宣教師夫妻も招待されました。皆様も御存じのように、SLEYは日フィン外交関係の樹立以前(今年でちょうど100年)からだけでなく、フィンランドが1917年に独立する以前から日本伝道を始めたという、日フィン関係のパイオニア的存在です。そのため大使館も一目置いているのです。

 レセプションは、最初は大統領をはじめ来賓のスピーチ、その後は立食形式のディナーとなり、大統領と特に話したい勇気ある人は自由に話が出来ました。大勢の人が並ぶ中、私とパイヴィも順番を待ちました。

 大統領の前に立って、まず自分たちがフィンランドの国教会のミッション団体の宣教師である旨を名乗りました。すると、私たちの順番の前に、1940年代に孤児として宣教師に育てられた御婦人がいたと言及されました(大岡山教会教会員のHさんのこと)。「その宣教師は私たちの団体の宣教師だったのです」とパイヴィ。私も、SLEYが1900年から日本伝道を始め、まさに30~40年代は国粋主義の嵐の中で宣教師は大変な苦労をしたが、戦後は「民主的な」国となり、自由に妨害されることなく福音伝道を続けている、と述べました。大統領は「あなたたちは価値ある仕事をされている(Te teette arvokasta työtä!)」と述べられました。私たちもお礼を述べ、短い会見は終わりました。

 日本の暗い近現代史に触れた上での、この労い言葉には、含蓄があるのではと思われました。

写真 Markus Rantala (Makele-90) – Oma teos, CC BY-SA 3.0, リンク, cropped

新規の投稿
  • 2025年10月26日(日)聖霊降臨後第20主日 礼拝
    司式 吉村博明 牧師 説教 田口聖 牧師(日本ルーテル同胞教団) 聖書日課 エレミヤ14章7~10、19~22節、第二テモテ4章6~8、16~18節、ルカ18章9~14節 説教題 「神様、罪人のわたしを憐れんでください」 讃美歌 121、240、122、259、450 特別の祈り 全知全能の父なるみ神よ。 […もっと見る]
  • 牧師の週報コラム 
    ルターによる御言葉の説き明かし ― フィンランドの聖書日課「神の子らへのマンナ」10月16日の日課から 「神を知らぬ者は心に言う、『神などない』と。」 (詩篇14篇1節) […もっと見る]
  • スオミ教会 手芸クラブのご案内
    次回は10月29日(水)10時~13時に開催します。 フィンランド風の刺繍を作ってみませんか。 次の手芸クラブは、前回に続いて刺繡はフィンランド風の刺繡をします。 刺繡はフィンランドでは何世紀にもわたって親しまれている手芸の一つです。今でも多くの人気があります。小さなクロスステッチで作った花などの模様は服やインテリアに可愛らしい趣きを増やします。 […もっと見る]
  • 子どもの料理教室のご案内 11月1日 10時30分~13時
  • 歳時記
    金木犀(Kin mokusei) <また愛のうちを歩きなさい。キリストもあなたがたを愛して下さって、わたしたちのために、ご自身を、神へのかんばしいかおりのささげ物、また、いけにえとしてささげられたのである。 エフィソ5:2> […もっと見る]
  • 牧師の週報コラム
    ルターによる御言葉の説き明かし ― フィンランドの聖書日課「神の子らへのマンナ」10月13日の日課から 「あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。」(マタイ7章3節) […もっと見る]