スオミ教会・フィンランド家庭料理クラブの報告

スオミ教会・家庭料理クラブは10月9日、秋の爽やかな気候の中で再開しました。 今回はこの季節にフィンランドの家庭でもよく作られるリンゴのケーキを作りました。

料理クラブはいつもお祈りをしてスタートします。最初にケーキのトッピング用の生地を作って冷やします。次に他の部分の準備。材料を計ったり、リンゴをスライスして、卵と砂糖をハンドミキサーで泡立てます。白く泡立ったら他の材料を中に加えて生地を作り、それをパイ皿に流し込みます。その上にスライスしたリンゴをたっぷりのせて、さらにリンゴの上にシナモンシュガーをたっぷりかけ、トッピング用の生地ものせてオーブンに入れる準備完了。これを焼き始めます。

今回の料理クラブはお子さんと一緒に参加された方もいて、親子で可愛いエプロンをかけて一緒に材料を計ったり生地を混ぜたりして、親子が共通して何かに取り組めるひと時になりました。

ケーキがオーブンで焼けている間、子どもたちの遊ぶ声や参加者の楽しそうな会話が教会中に広がっていきました。もちろん、シナモンの香りも。

ケーキは焼き上がってからしばらく冷まして、その間にテーブルのセッティングをします。皆さん席に着き、出来たてのリンゴのケーキの上にバニラアイスをのせてコーヒー紅茶と一緒に味わう歓談の時を持ちました。同じ時に、フィンランドのリンゴと聖書に出てくるぶどうの木のお話を聴きました。

今回の料理クラブも無事に終えることができて天の神様に感謝します。次回は11月12日の予定です。詳しくは教会のホームページの案内をご覧ください。皆さんのご参加をお待ちしています。

 

リンゴの話2022年10月8日

日本ではこの季節になると、お店にりんご、なし、ぶどう、かきなどいろいろな美味しそうな果物がたくさん並びます。日本で育つ果物の種類は多いですが、北欧のフィンランドでは育つ果物の種類はあまり多くなく、ベリー類を除けば、りんご、西洋なし、プラムくらいです。フィンランドの夏は短く、冬は長くて寒いので他の果物はあまり育つことが出来ません。一番多く育てられる果物はりんごです。りんごはフィンランドの南の地方でよく育てられますが、寒い北のラップランドでは育てることは出来ません。

夏私たちはフィンランドに一時帰国しましたが、今年の秋のリンゴの収穫は去年程よくありませんでした。去年は庭のリンゴの木は枝が折れそうになるくらいにリンゴで一杯でしたが、今年のリンゴは少なかったです。しかし今年も実家のリンゴを取ってそのまま食べたり、リンゴのケーキを作ったりして楽しみました。

フィンランドのりんごは日本のように大きくなく豪華な感じがしませんが、フィンランド人は自分の家の庭にりんごの木を植えて育てるところが日本と違います。りんごの木は庭の女王みたいに見られ、大事に育てられます。五月の終わりになると、木には白い花が一杯さいて、花の香りが遠くまで広がります。フィンランド人はこの季節が好きで、りんごの花が咲くのを毎年楽しみにしています。

9月になるとフィンランドの家の庭のりんごの木は赤めと緑色の実が実ります。出来具合は、はじめにも言ったように、年によって変わります。春が寒かったらリンゴの実は木に何個しかできません。そして受粉者、ハチも必要です。美味しくて虫がつかないりんごが出来るためには、ピヒラヤという木の実が関係しています。ピヒラヤの木に赤いベリーが沢山出来きる年は、美味しいりんごも沢山出来ます。しかし、ピヒラヤにベリーが出来なかったら、良いりんごも出来ません。どうしてかと言うと、ピヒラヤのベリーを食べる虫が関係するからです。もしピヒラヤのベリーがあまり出来ないと、虫はピヒラヤのベリーの変わりにりんごの中に入ってりんごを食べてしまうからです。今年はピヒヤラの実はとても少なかったので、リンゴもあまり出来ませんでした。

フィンランドではリンゴの木は3種類あって、夏リンゴ、秋リンゴ、冬リンゴがあります。夏リンゴの実は一番早く出来て、味は甘く、そのまま食べて美味しいリンゴです。秋リンゴの実は固めでジャムやジュースを作るのに用いられます。冬リンゴの実は酸っぱくて、木から採った後、何週間か地下においてから食べます。冬リンゴの実はよくクリスマスの時に食べられます。フィンランド人は自分の好みの味のリンゴを選びます。皆さんはどんな味のリンゴが好きですか。

リンゴの木や他の果物の木は美味しい実が出来るために適温、栄養、水分、日光など、適切な気象条件が必要です。木の手入れも大事です。美味しいリンゴや果物が出来るために人間はいろいろ手間をかけますが、天の神様は人間が実を結ぶことができるようにもっと手間をかけます。

聖書の中にはぶどうの木について有名な話があります。そこでイエス様は、神様やご自分について次のように教えられます。「私はまことのぶどうの木、私の父は農夫である。」ヨハネによる福音書15章1節です。ここでイエス様は、私たち人間はぶどうの木に繋がっている枝であると教えられます。天と地と人間を作られた天の神様は農夫の役割をして、ぶどうの木を世話するように私たちの世話をしたり、私たちを育てられます。私たちに必要な食べ物、衣服、住まいなどを与えられます。それらは天の神様の贈り物です。しかし私たちにとってそれらは当たり前のようになっています。今世界中に起きていることを見ると、それらは当たり前ではないと思うようになるかもしれません。私たちが今持っている生活の必要な物は天の神様が与えて下さるものなのです。

同じヨハネの箇所でイエス様は次のように教えられます。「私につながっていなさい。私もあなた方につながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことが出来ないように、あなた方も、私につながっていなければ、実を結ぶことが出来ない。」ヨハネによる福音書15章4節です。リンゴや他の果物の木を育てると、栄養や水分は根や枝を通して実に入ります。そして枝は木の幹に繋がっていなければなりません。これは私たち人間とイエス様の関係のことを言っています。イエス様は、枝が木に繋がっているように私たちもイエス様に繋がるようにと教えます。繋がっていれば、どんなことがあっても大丈夫になります。

イエス様と繋がることはどのようにして出来るでしょうか?それは、天の神様の独り子イエス様のことを知って信じることで出来るのです。知って信じるとは、どういうことでしょうか? 天の神様は、ご自分の独り子、イエス様をこの世に送られました。どうして送られたのでしょうか?それは、私たち人間が神様の言われたことをしっかり守ることが出来ないからです。そのためにイエス様をこの世に送られ、イエス様は十字架の上で、私たちの罪の罰をかわりに受けてくださいました。このように神様は、私たち一人一人を愛して罪の罰を受けないで済むようにして下さったのです。さらに、神様は一度死んだイエス様を復活させられて、死を超えた永遠の命があることを世に示されました。イエス様を救い主と信じる者はイエス様という木に繋がる枝として人生を歩むようになります。イエス様と繋がっていると、信仰の実が生まれます。イエス様を信じる信仰の実が生まれると、本当の喜びや平安が心の中で生まれます。

私たちが食べるリンゴや果物はビタミンなど健康にも良いものが含まれていますが、イエス様に繋がってできる信仰の実は魂の栄養になります。「私はぶどうの木、あなた方はその枝である。」ヨハネによる福音書15章5節です。

 

 

 

 

 

 

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