スオミ教会・フィンランド家庭料理クラブのご報告

新緑も眩しい、爽やかな季節に、スオミ教会家庭料理クラブは、カルダモン入りの生地で作るドーナツ[ムンキ]を作りました。

最初にお祈りをしてスタートです。

計量して生地を捏ね、一次発酵した生地を分割、可愛く丸めて二次発酵に。

柔らかく優しい生地は、リング状にして、揚げられました。熱した油に入れた生地は、みるみる大きくなり、ムンキはお砂糖をまぶして完成です。

人数を制限しての開催になりましたが、出来上がりのムンキに、笑顔が浮かびました。

コーヒーと一緒の試食タイムは、揚げたての一番美味しいムンキを頂きました。

パイヴィ先生からは、ヴァップの季節や、聖書のお話を聞かせて頂きました。

 

料理クラブの話 「ムンキ」

今日作ったドーナツはフィンランド語でムンキと言います。パンの生地で作るムンキはフィンランドでは伝統的なお菓子で、5月1日に多くの家庭で作られます。この他にレモンを発酵させて作る甘酸っぱいレモナードも作ります。フィンランド語でシマと言います。これをムンキと一緒に味わいます。5月1日はフィンランドでは休みの日で、春の大きなお祝いの日です。フィンランド語で「ヴァップ」と言います。メーデーとして労働者たちの日でもあるし、また高校を卒業した人たちのお祝いの日でもあります。フィンランドでは高校を卒業すると白い帽子を贈られるので、ヴァップの日には町には白い帽子をかぶって歩く人が沢山見られます。

“Vappu – view near cathedral” by Mad John CC BY-NC-ND 2.0

ヴァップの日にはいろいろな過ごし方があります。若者たちや町に住んでいる人たちは、遊園地などに出かけます。町は賑やかな雰囲気で、音楽や政治家のスピーチがあちこちから聞こえ、子供たちは風船や笛などを持って歩いています。

私は田舎で育ったので、町の騒がしいヴァップの過ごし方は好きではありませでした。私の好きなヴァップの過ごし方は森にハイキングに行くことです。これは私の家族の過ごし方でした。ヴァップに森に行くハイキングは普通のハイキングと違って特別です。ハイキングに行くと普通は長い距離を歩きますが、ヴァップのハイキングの目的は一日自然の中で過ごすことです。森に行って焚火をしてそこでソーセージを焼いたり、コーヒーをわかしたりして過ごすことです。森の中で食べるごはんやおやつは家の中で食べるよりもっと美味しく感じます。もちろん森の中ですることは食べることだけではなく春の景色を楽しむこともします。5月1日フィンランドではまだ緑もあまりないし、咲いている花もまだ少ないです。しかしこの日冬の後で自然の変化が見れるのは楽しみです。フィンランドにいる私の兄弟姉妹たちは今も5月1日に自分たちの家族と一緒に実家に行って皆で森にハイキングに行きます。仕事を引退した父も一緒に行けるので、彼は孫たちに焚火の付け方を教えます。

春に自然の中を散歩しながら新しい緑やきれいな花を見ると、私はいつも旧約聖書の有名な詩篇23篇を思い出します。この箇所を読むと、神様の人間に対する愛が現れてくるので、いつも安心と感謝の気持ちで一杯になります。

この詩篇は、「主は羊飼い、私には何も欠けることがない」という文で始まります。「羊飼い」とは天と地と人間を造られた神様のこと、「羊」は私たち人間を意味します。今の時代に羊飼いの仕事をしている人はあまりいませんが、かつて羊飼いは普通の仕事でした。羊は弱くて、野生動物に簡単に捕まえられて食べられてしまいます。そのために羊飼いは羊を守って導いていきます。

羊飼いが羊を守りながら導くように、神様が私たちを守って導いてくださいます。もし人間を造られた神様が私たちの羊飼いならば、神様は信頼して大丈夫な方です。神様の導きのうちに生活する時には大きな安心があります。神様はどのように私たちを導いてくださるのでしょうか?

CC0

この詩篇には「主はみ名にふさわしく、正しい道に導かれる」と書いてあります。神様は私たちの全てのことをご存じで、いつも歩むべき道を示してくださいます。神様は私たちを愛して下さるので、いつも良い道を示してくださいます。ただ、神様が導いてくださる道は様々です。「きれいな青草の原、憩いの水ほとり、死の陰の谷」などがあります。私たちの人生の中には喜ばしいことや悲しいことがいろいろあります。もちろん私たちは喜ばしいことを望んでいます。それで、悲しいことが起こると、受け入れるのは簡単ではありません。しかし神様はいろんな時、喜ばしい時も悲しい時もいつも共にいてくださいます。

この詩篇には「死の陰の谷を行くときも私は災いを恐れない。あなたが私と共にいてくださる」と書いてあります。神様は私たちが欲しいものを全部は与えませんが、私たちは神様の導きに従って歩む時、私たちは何も欠けることがなく、恐れることもありません。私たちは羊と同じように時々神様の道から離れてしまいます。羊が羊飼いの声を聞かないで違う方向に行こうとすると羊飼いは杖で羊を軽く叩いて導きます。私たちの場合はどうでしょうか?神様は、私たちが神様の声を聞かない時、羊飼いと同じように杖を使って導いてくださいます。杖で軽く叩かれると、少し痛いですが、それも人間を造られた神様の私たちに対する愛の業です。

この詩篇にはまたこう書いてあります。「命のある限り恵みと慈しみはいつも私を追う。」神様は、私たちのために神様のもとに行ける道を用意して下さり、いつもその道で私たちを導いてくださるのです。神様のもとに行ける道とは、神様の子イエス様のことです。イエス様は罪を持たない神様の子でしたが、人間が罪の罰を受けないようにと、身がわりになって十字架にかけられて死なれました。このおかげで、私たちの罪が全部許されて、この世の中でも、またこの世が終わってもいつも永遠に神様と一緒にいることができるようになりました。神様がイエス様を私たちのために送ってくださったことに、神様の人間に対する愛が現れているのです。

私たちもこの良い羊飼いに従って行きましょう。「私は良い羊飼いである。私は自分の羊を知っており、羊も私を知っている。」ヨハネによる福音書10章14節

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