「エートゥ君、おじいさんとアドベントの天使たち」


1. まだ朝が早いうちから、喜びの天使は窓から部屋の中を覗いていました。今日、一年で一番待ち望まれた月が始まったので、目を覚ますのは楽しみなはずです。

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2. ところが、エートゥ君は嬉しい気持ちではありませんでした 。零下になった朝が寒く、車のエンジンがかからなかったので、お母さんに普段より早く起こされたのです。エートゥ君は学校まで歩かなければなりませんでした。これほど嫌な12月の始まりはないでしょう。
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3. 喜びの天使は、他のアドベントの天使たちを急いで呼び集めしました。 そして、エートゥ君がクリスマスを楽しんで待てるよう、どのように助けてあげられるかとみんなで考えました。
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4. 愛の天使は、着いたときには寒さで青くなっていましたが、「エートゥ君のおじいさんに助けをお願いしましょう」と良い提案をしました。
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5. 学校の1日が終わると、入り口から明るくて懐かしい 声が聞こえてきました。おじいさんが、エートゥ君を迎えに来ていたのです。
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6.「エートゥ、立派な一年生になったね。」と、おじいさんはみんなの前でほめました。「寒いのに、朝何キロも歩いたそうじゃないか。」おじいさんの言葉に、エートゥ君の胸は高鳴りました。
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7. 「クリスマス・ストリートを見に行こうか。まだ歩けるかな。」とおじいさんは尋ねました。「もちろん!」エートゥ君は、はりきってランドセルを背負いました。
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8. おじいさんはエートゥ君の手をとって聞きました。「学校では、何が一番好きかな?」「体育と算数!」と、エートゥ君はまよいなく答えました。
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9. おじいさんは続けました。「じゃ、小学校、中学校が終わったら、何をしたいんだい?」「高校と大学に入りたい!」「その後には?」「そうだなあ、会社で働いて、お金持ちになって、スポーツカーを買うんだ!」
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10. エートゥ君とおじいさんはクリスマス・ストリートに着きました。そこから、おなじみのクリスマス・キヤロルが聞こえてきました。「力も栄光も求めない、金も欲しない…」エートゥ君は、金が欲しくない人がいるなんて理解できませんでした。「お父さんももっとお金持ちだったら、新しい車を買うことができるのに。」
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11. お金の夢を見ながら、エートゥ君は美味しそうなチョコレート製の村が展示されたショーウィンドウの前に立ち止まりました。「温かいココアを飲もうか。」とおじいさんは提案しました。
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12. 雪道を踏んで、おじいさんとエートゥ君は歩き続きました。短い冬の日はもう暗くなりましたが、幸いなことに、おじいさんとおばあさんの家は近くにありました。そこを訪ねるのはいつも楽しいことでした。
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13. 玄関に迎えに来たおばあさんは、エートゥ君を抱きしめました。そして、おやつを食べるようにキッチンへ招きました。そこにはクリスマスクッキーの良い香りが漂っていましたが、エートゥ君は最初にサンドイッチを食べなければならないことを知っていました。エートゥ君は、そのことでおばあさんと喧嘩をしたくありませんでした。
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14. 一緒におやつを食べているおじいさんは、話を続けました。「お金持ちになったら幸せかな?」「うん、もちろん。そして結婚して、お父さんになって、立派な家にも住むんだ!」「すごい夢だねえ。で、その後は?」「楽しく生きる!」
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15.「じゃ、こんなおじいさんになったらどうする?」とおじいさんはエートゥ君に聞きました。「そうだなあ、旅行したり遊んだり楽しいことをしたりするよ。」「その後は?」すると、エートゥ君は悲しそうに「年をとったら、死んで、全部終わりだ。」と言いました。
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16. エートゥ君はおじいさんを見ました。おじいさんはもう年をとっていましたが、驚いたことにそれを悲しんではいないようです。「死ぬのは悲しいことだが、それで全ては終わりじゃないよ。」とおじいさんは嬉しそうに言いました。「エートゥ、これを聞きなさい。」おじいさんは聖書を開いて、エートゥ君に読んであげました。「罪が支払う報酬は死です。しかし、神の賜物は、わたしたちの主キリスト・イエスによる永遠の命なのです。」(ローマ6:23)
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17. 「イエス様がなぜクリスマスにお生まれになられたか、知っているかな?」エートゥ君は、そんなことを考えたことはありませんでした。「イエス様は、私たちを幸せにするために来られたんだよ。」とおじいさんは説明しました。「聖書はこう教えている。心の清い人々は幸いだ。その人たちは神を見るから。(マタイ5:8)イエス様だけが、心をきれいにすることができるんだよ。イエス様は、私たちが罪を赦していただけるように、そして死んだ後、天国で新しい命を得られるように、十字架で死んでくださったんだ。」
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18. おじいさんはソファに腰をかけました。「私の一番大事な宝物をエートゥにあげたいんだ。あの箪笥(たんす)の上から赤い箱を持ってきてくれないか。」エートゥ君は箱を大事に手に取って、ドキドキしながらおじいさんに持って行きました。それは何が入っているのでしょうか。
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19. おじいさんに頼まれて箱のふたを開けたエートゥ君は、驚きました。それは空っぽでした。箱には金の飾り物も、千円札も、一円玉さえもありませんでした。 エートゥ君はがっかりして暗い顔になりました。
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20. おじいさんは聖書を箱に入れて言いました。「この本は、天国の宝石だ。これは、何よりも誰よりも私たちを豊かに幸せにできるイエス様について教えている。イエス様は、自分を信じる者に、まずこの地上で豊かな人生を、その後天国で豊かな命の約束をしてくださっているんだよ。」おじいさんは 箱を優しくエートゥ君に渡しました。
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21. しばらくして、おじいさんはそりを小屋から持って来ました。箱を持ってそりに座ったエートゥ君は、寒い夜道を、すごいスピードで家まで連れて行ってもらいました。嫌な気持ちで始まった一日が、これほど豊かなものになるとは、誰にも予想できなったのでしょう。エートゥ君が寝付いた後、信仰と希望と愛と喜びの天使は、幸せで大喜びしました。
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22. エートゥ君は、もう大人になりました。クリスマスになると、エートゥ君はお墓まいりに行って、感謝の気持ちでおじいさんのことを思い起こします。エートゥ君は、おじいさんが聖書の表紙の裏に書いた言葉は本当だったと知りました。「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」(マタイ6:33)
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23. 神様の見守りを賛美して、エートゥ君はクリスマス礼拝で皆と共に歌います。 うるわしき 救いぬし み子なるイエスは、わがいのち わが冠 わがたまの光。
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24. アドベントの天使たちもエートゥ君とクリスマスの喜びを分かち合いました。うるわしき 救いぬし み子なる イエスよ、そのみいつ みさかえは とわにかぎりなし。皆さまにも、良いクリスマスを!

 

 

文・写真:パイヴィ・ポウッカ お問い合わせ・ご注文 info@aurinkonousee.fi Aurinko nousee –palvelut Auditive Edu Oy Helsinki, Suomi aurinkonousee.fi 参考にご覧ください:facebook.com/groups/seichoenosasae
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