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六本目の樗(あうち あおち センダン AUCHI)
<このような人は流れのほとりに植えられた木の時が来ると実を結び、その葉もしぼまないように、そのなすところは皆栄える。 詩編1:3>
何故か樗の木に魅せられています。五本の樗の木は既に見つけました、三本は長池公園で、残りはスポーツ公園と桜美林教会の裏で。こうなると六本目の樗の木を探したくなるのが私の悪い癖です。或る日、何時もの尾根緑道の桜美林教会の前のベンチで丹沢を眺めていました。眺め終わり立ち上がって二、三歩歩いた所でふと足元を見ると小さな銀杏のような木の実が転がっていました。えッと思い上を仰ぐと樗の木でした、見るからに貫禄のある老大樹でした。今まで何年もこのベンチで丹沢を眺めていたのに全く気付きませんでした。六本目の樗の木はいとも簡単に見つける事が出来ました。私が初めて樗の事を知ったのは徒然草、四十一段の「・・・向ひなる楝の木に法師の、登りて、木の股についゐて ・・・」と言う件でした。以来、樗の木とは如何なる木であるかに興味が湧き調べているうちに大変面白い木である事に気付きました。初夏に薄紫色の小さな花を一杯に咲かせ晩秋にはその花の数だけの実をつけています。特に晩秋から冬にかけての鈴なりになった金色の実は色に乏しい冬枯れの景色を明るく彩っています。以前、知人から苗木を分けてもらい、山梨の家の庭とこの家のベランダに鉢植えにしています。伸びるのが早く剪定を早めに済ませなければ大きく枝を広げてとんでもない事になると植木屋に脅かされました。四本目のスポーツ公園の樗の木はまさにその好例とみえて野放図に枝を伸ばして鳥たちの格好の止まり木になっていました。
(玉に貫く楝を家に植ゑたらば山霍公鳥離れず来むかも 訳: 玉を緒に通して薬玉にする樗の木を家の庭に植えたら山ホトトギスはやって来るでしょうか。万葉集、大伴書持 )