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ルターによる御言葉の説き明かし ― フィンランドの聖書日課「神の子らへのマンナ」10月13日の日課から
「あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。」(マタイ7章3節)
「もし君が寝ぼけてさえいなければ、他の者に君ほどの多くの罪があることを見ることはないだろう。それでも君は他の者を見ると、多くの罪、例えば1年分ないし2年分の罪が見えると言うのか。君自身には2年どころか一生分の罪があることが見えないのか。とりわけ、他の人たちに知られていないあの恥ずべき数々の所業を。さらに忘れてならないことは、もし隣人に何か悪いものが見えたとしても、それでその人を拒絶してはならないということだ。そうではなくて、その人の良い面にも目を向け、君が神から頂いた賜物をもってその人が悪いものから離れられるように助け、その人の罪が公けに広まらないようにし、全てが神の御心に適うようになることがその人にとって最善のものになるというようにしていかなければならない。
もし君が世界で一番敬虔な者だとしても、他の者を断罪する時に君は世界で最悪な者になる。君が神から賜物を与えられたのは、自己満足のために消費するためではない。隣人が君の賜物を必要としていることに気づいたら、それで助けてあげるためなのだ。君の持てる力でその人の弱さを背負ってあげ、君の敬虔さと名誉をもってその人を飾ってあげ、その罪と恥を公けにならないように覆ってあげるのだ。これこそ、まさしく神がキリストを通して君にしてくれたことであり、今もなお毎日してくれているのだ。もしこのように行わず他の者を見下すならば、君はその人の目に塵を見つけて満足し、神のみ前では目に材木を入れている者なのだ。」(以上ルターの説き明かし)
重い罪を犯した女性を石打ちの死刑にしようとした指導者たちに対して主イエス様が言われた言葉 「あたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」 ヨハネ8章7節
この言葉を聞いて指導者たちが一人また一人と立ち去った後、刑を免れた女性に対して主が言われた言葉 「わたしもあなたを断罪しない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」 同11節
(注 ギリシャ語の動詞カタクリノーは「罪に定める」よりも「断罪する」が良いと思います。)