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5月の料理クラブは10日に開催しました。午前中は梅雨を思わせる雨模様でしたが、午後から晴れてきて春の天候に戻りました。今回はフィンランド的なドーナツ「ムンキ」を作りました。
料理クラブはいつもお祈りをしてスタートします。まず、ムンキの生地を作ります。材料を測って順番にボールに入れてから小麦粉を加えます。生地をよく捏ねてから柔らかくしたマーガリンを加えて、またよく捏ねて生地を仕上げます。暖かい場所において一回目の発酵をさせます。その時一休みします。参加者の皆さんが楽しそうに会話しているうちに生地は大きく膨らみました。
次に丸いプッラの形を作ります。生地を細い棒の形に丸めて切り分け、それを一個一個丸めていきます。初めは少し難しかったですが、何個か丸めていくうちに皆さん上手になってきて、きれいな丸いプッラが次々と鉄板の上に並べられていきました。そこで二回目の発酵をさせます。今回はお母さんと一緒に参加した小学生のお子さんが大人たちと一緒に上手に生地を丸めていました。
二回目の発酵の時におしゃべりしながら次の準備をします。丸めたプッラは大きく膨らんでから油で揚げますが、一つひとつのプッラの真ん中にドーナツの穴を作ります。それを熱した油に入れると、きれいな焼き色のムンキが次々と並んでいきます。油の温度を調整しながら揚げていくと美味しいそうなムンキが出来ます。ムンキを温かいうちに砂糖で丸めるようにまぶして出来上がりです。
さあ、出来たてのムンキをコーヒー・紅茶と一緒に味わいましょう!今回は特別な味わいのある「Marjapuuro」も合わせて作ったのでそれも頂きました。皆さんと一緒にムンキを頂きながら楽しい歓談のひと時を過ごしました。その時にフィンランドの春の祭り「ヴァップ」についてと、空を飛ぶ鳥の自由やそれに関係する聖書のお話がありました。
今回の料理クラブも無事に終えることができて天の神さまに感謝です。次回の料理クラブは6月14日に予定しています。詳しい案内は教会のホームページをご覧ください。皆さんのご参加をお待ちしています。
今日作った「ムンキ」はフィンランドの伝統的なお菓子の一つです。プッラの生地で作るものですが、油で揚げると、表面はサクサクして、中身は柔らかい味わいになります。ムンキはフィンランドの全国の喫茶店やお店で一年中売られていますが、一番売れる時期は4月の終わり5月の初めにかけてです。5月1日の「ヴァップ」という祭りの時にムンキは多くの家庭でも作られます。揚げたてのムンキの美味しさは子どもたちの記憶にずっと残ります。この他にレモンを発酵させて作る甘酸っぱいレモナードも作ります。フィンランド語でシマと言います。これをムンキと一緒に味わうと、ヴァップの気分になります。
5月1日はフィンランドでは休みの日で、多くの人たちは様々なイベントに参加したり別荘に行ったりして楽しい一日を過ごします。長い寒い冬を乗り越えたフィンランド人が自由を強く感じる気持ちです。これから暖かい季節に変わり楽しいことが増えるので、皆が空を飛ぶ鳥のような自由を感じます。
ここで空を飛ぶ鳥の自由についてお話したく思います。息子はムーミンのシリーズが好きで今でもそのDVDを一緒によく見ます。最近見たエピソードでスノークが飛べるための翼を作りました。翼が完成すると、スノークはそれで本当に飛べるのか試してみたくなりました。彼は高い山に登って翼を背中に付けて飛び立ちました。ムーミンたちはそれを心配そうに見ていました。スノークは本当に飛べたでしょうか?驚くことに、スノークは鳥のように美しい青空をあちらこちらに飛びました。皆はそれをワクワクしながら見て自分も飛びたいと思いました。しかし突然強い風が吹いてスノークはコントロールを失って森の中にコロコロと落ちてしまいました。頭を怪我してスノークはとてもがっかりしました。
その夜スティンキーはこっそり翼を盗んでしまいました。スティンキーは体が小さくて軽いので、上手く飛べるかもしれないと思いました。スノークと同じ高い山の上に行って翼を背中に付けて飛び始めました。どうなったでしょうか。スティンキーも上手に飛ぶことが出来てもっと遠く行きたいと思って海の上まで飛んでいきました。しかしその時、また強い風が吹いてスティンキーは海に落ちてしました。スノークもスティンキーも空を飛んでいる時は自由の喜びを感じたでしょう。しかしそれは長く続かず、しばらく飛んだ後で二人とも落ちてしまったのです。
この時私は旧約聖書の詩編のみ言葉を思い出しました。
「どこに行けばあなたの霊から離れることが出来よう。天に登ろうとも、あなたはそこにいまし よみに身を横たえようとも 見よ、あなたはそこにいます。曙の翼を駆って海のかなたに行き着こうともあなたはそこにもいまし 御手をもって私をとらえて下さる。」 詩編139篇7~10節
私たちもスノークとスティンキーと同じように鳥が空を飛ぶような自由を感じたいと思うことがあるでしょう。自由とは一体どういうことでしょうか。辞書を調べてみたら、自由とは、目的に向かって制限なく行動できるということでした。自分の意志を実現するために行動することです。それは特に若者にとって大切です。フィンランドには「子どもに自分の翼を試させよ」という言い方があります。それは子どもが親から離れて独立して自分の考えで生きていくという意味です。子どもは親の元を離れて自分で考えて生きることが出来るようになると、自由を感じます。
独立と自由について聖書は大切なことを教えています。先ほどの詩編の中に「どこに行けばあなたの霊から離れることが出来よう。」という言葉があります。それは、人間が自由を求める時、天と地と人間を造られた神さまから離れて自由に行きたいと願うことです。このような気持ちはどんな時に起こるでしょうか。それは私たちが天の神さまが教えるように生きることが出来ない時です。つまり、神さまの教えに反したり何か悪いことをしてしまった時に神さま、私の好きにさせて下さいと、神さまから離れたい気持ちになります。しかし、私たちは本当に神さまから離れることが出来るでしょうか?いいえ、ダビデが言ったように「天に登っても、曙の翼を駆って海のかなたに行っても」天の神さまはそこにもおられるのです。おられるだけでなく、神さまはずっと御手を差し出して導いて下さいます。
私たちが自由を求めて失敗する時、それはスノークとスティンキーが空を飛んで落ちてしまったのと似ています。その時、天の神さまは自分に関係ないことと遠くから見ているだけでしょうか?いいえ、その時にも天の神さまは私たちと一緒にいて私たちを導いて下さるのです。私たちが落ちてしまう時も神さまは御手をもって私たちをしっかりと掴んで引き上げてくだるのです。私たちはこのことが分かって信じられるようになると天の神さまの御手の力に自分のことを全て委ねることが出来るようになります。その時、私たちはもう下に落ちないので本当に自由になるのです。