牧師の週報コラム 

フィンランドの「道の教会」

日本の地方の一般道を車で走ると「道の駅」に出くわします。農産物をはじめ地域の食材や特産品の売店があったり、喫茶店や食堂もあったり、場所によっては温泉にも入れます。 高速道路のサービスエリアと違って、まさに地道に地方を旅している雰囲気を味わえ、立ち寄ってみたくなる施設です。

夏のフィンランドの地方を車で走ると「道の教会」に出くわします。フィンランド語でTiekirkkoと言い、スウェーデン語系住民が多い地方ではVägkyrka、夏の期間、道路庁の公認の道路標識としてあちこちに立てられます。「道の教会」とは、旅行や仕事で移動中の人が、標識のある教会に立ち寄って自由に見学してもよし、座って心を落ち着かせる時を持つのもよし、というフィンランド国教会の夏のオープンドア・イベントです。時間帯によってはオルガン等の演奏を聴かせる教会もあります。すべて無料です。

夏の前にホームページにその年の「道の教会」が告知されます。今年は260程の教会が指定されました。フィンランドは町の郊外に出ると、小さいながら牧歌的で可愛らしい教会が無数にあります。南西部には中世の時代に建てられた石造りの教会が多く、それ以外の地域では17001800年代に建てられた木造りの教会が沢山あります。

それらの教会を訪れると、大抵は人はまばらか、誰もいない時もあります。売店もカフェも何にもありません。サウナもです。とにかく静かのひと言につきます。石造りの教会はやや暗くひんやりし、木造りの教会は明るく暖かい感じがします。中に入ると自然に聖卓へと足が進みます。周りの壁の装飾や絵画、石造りの教会なら壁画そして天井など上下左右を見回しながらゆっくり進みます。聖卓の前で立ち止まり、正面の十字架あるいは宗教画を見上げた後、回れ右をして戻ります。途中、少し長椅子に座ってみようかという気分になります。座っていると時間が停まったような感覚になり、都会の喧騒や心の中の騒がしさが静けさに呑み込まれてしまったことに気づきます。さて出発しようかと立ち上がろうとするのですが、慌てる必要はない、もっと座っててもいいのでは、という声が心の中でするかのようです。教会は赤ちゃんの洗礼から10代の若者の堅信礼、結婚式、葬式まで人の一生と共にあります。人の一生を包み込む神の祝福に触れることができたからでしょう。

新規の投稿
  • 2026年5月10日(日)10時半 復活節第6主日 礼拝 説教 吉村博明 牧師
    2026年5月10日 復活後第六主日 礼拝説教 使徒言行録17章22-31節 第一ペトロ3章13-22節 ヨハネ14章15-21節 説教題 「二つの文明、二つの信仰 - どっちになるかは聖霊次第」 私たちの父なる神と主イエス・キリストから恵みと平安とが、あなたがにあるように。アーメン わたしたちの主イエス・キリストにあって兄弟姉妹でおられる皆様 1. […もっと見る]
  • 牧師の週報コラム
    覚悟と胆力を養うキリスト信仰その11 3月1日のスオミ教会定例総会にて採択された2026年度の主題聖句と主題およびその趣旨です。 主題聖句 「あなたの御言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす光」      詩篇119篇105節 主題 「どんなに深い闇に覆われようともキリスト信仰者には失われない光がある」 主題の趣旨 […もっと見る]
  • 2026年5月17日(日)13時 キリスト教の終活セミナー
    キリスト教式葬儀会社・株式会社ライフワークスのセレモニーディレクターの福島信氏(同社東京オフィス)をお招きして「キリスト教の終活セミナー」を開催します。ご関心ある方はどなたでも参加できます(参加費無料)。 […もっと見る]
  • スオミ教会・フィンランド家庭料理クラブのご案内
    5月の料理クラブは16日(土)13時の開催です。 […もっと見る]
  • 5月の予定
  • 牧師の週報コラム
    覚悟と胆力を養うキリスト信仰その10 ルターによる聖句の説き明かしと共に(フィンランドの聖書日課「神の子らへのマンナ」2月5の日課から) 『私たちの忍耐と聖書が与える慰め励ましを通して私たちは希望を持ち続けることができるのです。』(ローマ15章4節、昨年度のスオミ教会の年間聖句、スウェーデン語訳の聖書”Bibel2000”から) […もっと見る]