手芸クラブの報告

4月の手芸クラブは24日に開催しました。朝から雨がしとしと降り少し涼しい日になりましたが、季節はまだ新緑がきれいな春です。

今回の作品はクロスステッチの刺繡です。初めにモデルを見て自分の作りたいものを選びます。それから作りたいものの糸の色と布を選んで、早速刺繡に取りかかります。クロスステッチには少し細かいことがあるので少し難しく感じたところもありましたが、皆さん一生懸命頑張りました。だんだん可愛い模様が見えるようになると、「可愛い!」「素敵!」「きれいな色合い」などの声があちらこちらから聞こえてきました。刺繡は完成まで時間がかかります。それで、来月も刺繡を続けたいと希望する声があがりました。来月は今回の続きでも良いし、または新しい少し簡単なクロスステッチのものを作ることにします。

クロスステッチ刺繡で細かい作業に集中した後はコーヒータイムで一息入れます。フィンランドのコーヒーブレッドPullaを味わいながら歓談の時を持ちました。そこで刺繡の歴史などについてや、私たちと共にいつもいて下さる父なる神さまについてのお話がありました。

次回の手芸クラブは5月22日に開催予定です。開催日が近づきましたらホームページに案内案内を載せますので是非ご覧ください。

手芸クラブの話

刺繡は世界中に愛されている古い伝統的な手芸の一つです。刺繡は同じテクニックや材料を使いますが、それぞれの国の文化の影響も受けて違いもあります。

刺繡は古代オリエントのエジプト、バビロニア、ギリシャで始まったと言われます。最初は布を縫い合わせる時に刺繡のテクニックが使われましたが、後で布をきれいに飾り付けるためのものになりました。

刺繡はフィンランドでも伝統的な手芸の一つです。かつて刺繡は飾りとして服、シーツ、テーブルクロスなどに付けられました。女性たちはシーツやタオルを縫う時、最後にイニシャルを刺繡しました。テーブルクロスにはきれいな花の模様を刺繡して華やかなものにしました。

刺繡にはいろいろなテクニックがありますが、最も一般的なのは今日皆さんが作ったクロスステッチです。フィンランドでは1800年代にクロスステッチのテクニックがとても盛んになったので、クロスステッチの世紀とも言われています。そのテクニックは簡単で早く覚えられるので盛んになりました。クロスステッチではいろいろな模様が出来ます。昔クロスステッチの模様のデザインのモデルがなかったので、デザインは自分で考えなければなりませんでした。女性たちは作ったデザインを交換し合ったのでクロスステッチのいろんな模様が広がっていきました。フィンランドの西と南の地方ではスウェーデンから模様が伝わりました。shugeikurabu東の地方はロシアから伝わりました。そのため西と東の刺繡の模様は少し違うのです。特に東のカレリアという地方の刺繡はロシアの刺繡の影響を強く受けています。それは他の刺繡とどのように違うでしょうか?カレリア地方の刺繡の基本は白い布に赤い糸でな模様を作ることです。

刺繡は昔からキリスト教会にとっても大事な技能でした。多くの教会の聖壇の布には聖書に関係する模様が刺繡してあります。教会からも刺繡のいろんなテクニックが広く社会に普及しました。聖壇の布に刺繡してある模様はいろいろありますが、よく見られるものは三角形の模様です。その中に目の模様の刺繍を付けることもあります。これはどんな意味があるのでしょうか?三角形は天の父なる神さまを表しています。その中にある目の模様は神さまが私たちのことをいつも見守ってくださり、いつも共にいて下さることを表します。このように聖壇の布の模様を通して、神さまの存在や神さまが私たちといつも一緒にいて下さることを見る人に確信させる役割を果たすのです。

ところで、私たちはどうでしょうか?天の神さまが私たちと共にいて下さることをいつも感じることが出来るでしょうか?神さまがどこか遠くに行ってしまったと感じることが時々あると思います。そのような時、私たちはどうしたら良いでしょうか?

shugeikurabuこの間、息子の悦才と博明が一緒に家の近くの神田川にジョギングに行った時の出来事です。悦才は支援が必要な若者です。二人は出発の前にどこまで走るか話し合って走る道を決めました。しかし、途中で悦才はとてもスピードを出して走るようになったので、博明は追いつかなくなり悦才の姿は見えなくなってしまいました。博明は息子は出発点で待っていると思いましたが、そこに着いたらいなかったので、もう家に帰ったと思って家を見に行きました。しかし息子は家には帰っていませんでした。博明はまた神田川に戻っていろいろ捜しましたが、見つかりません。それでもっと遠くまで探しに行けるようにまた家に戻って自転車を取り出しました。自転車で出発点に向かうと、そこで息子が大きな声で「お父さーん!お父さーん!」と叫んでいる姿を見つけました。それから二人は無事に家に帰ることができました。

聖書は、天の神さまは私たちの父であると教えています。私たちは人生の中で自分の行きたい道を進みたいと思って進んでみると、迷ってしまって正しい方向がわからなくなってしまうことがあります。ちょうど息子の悦才と同じようにです。どうやったら正しい道に入れるかわかりません。そのような時は天の神さまの方を向いて「お父さーん、お父さーん」と叫べばよいのです。旧約聖書の詩篇には次のようなみ言葉が書いてあります。「わたしは主を愛する。主は嘆き祈る声を聞き、私に耳を傾けて下さる。生涯、わたしは主を呼ぼう。」詩編116篇1-2節です。このように天の神さまはいつも私たちを見守っていて下さり、いつも私たちの叫び声も聞いてくれるので、私たちは安心して平安を得られるのです。本当に天の神さまは私たちのことをよくご存じですので、叫び声をあげることが出来ないときでも、その時は静かな囁きでも神さまは一言ももらさないで聞いてくださいます。

私たちの人生の中にはいろんな時があります。それでも、天の神さまは私たちがどんな状況にあるのか、いつどこにいても良くご存じで、それで、いつも一番良い歩む道を示して下さいます。それに信頼できればどんな時があっても安心や平安の中で生活が出来るのです。

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