歳時記

ささやきの小道―馬酔木

<我がが背子に我が恋ふらくは奥山の馬酔木の花の今盛りなり 。 万葉集 巻11-1903 詠み人知らず>(愛しい人に恋をするわたしの気持ちは、ちょうど今、奥山のあしびの花が人知れず満開になっているようであります)

若い頃奈良が好きでよく出かけました。定宿は日吉館と言う奈良マニアの溜り場のような民宿でした。ある日の朝、新薬師寺に出かけるつもりで歩き始めて迷い込んでしまったのが―ささやきの小道―と言われた馬酔木の名所でした。人気のない道でした背丈ほどの馬酔木の花の間を歩いた先に新薬師寺を見つけたときはホットしました。都立小山内裏公園は良く散歩に利用している公園です。八王子から多摩、町田へと続く長い尾根道です。北から南へ続く長い道には多分に季節の移ろいの時間差があるようで元気な頃は時々端から端まで通して歩きました。今の季節は何といっても馬酔木の花ですね。簪のように垂れ下がった英の濃いえんじ色からパール調の薄桃色までの色の変化が楽しませてくれます。
11 見よ、冬は過ぎ、雨もやんで、すでに去り、12 もろもろの花は地にあらわれ、鳥のさえずる時がきた。山ばとの声がわれわれの地に聞える。 雅歌21112

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