スオミ教会・家庭料理クラブの報告

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4月の料理クラブは桜もそろそろ終わり始めの13日、爽やかな春の陽気の中で開催しました。今回はこの季節にピッタリのフィンランドのコーヒーブレッド、アウリンコ・プッラを作りました。

料理クラブはいつもお祈りをしてスタートします。

pullaまず、プッラの生地を作ります。材料を測って順番にボールに入れてから小麦粉を加えます。生地をよく捏ねてから柔らかくしたマーガリンを加えて、またよく捏ねて生地を仕上げます。暖かい場所において一回目の発酵をさせます。その時にプッラのトッピングを作ります。卵以外のものをボールに入れて味見をし、もう少し砂糖を加えてみてから卵を混ぜて完成です。トッピングを準備している間に生地は大きく膨らみました。そこでプッラの形作りです。生地を細い棒の形に丸めて切り分け、切った生地を一個一個丸めていきます。初めは少し難しかったですが、何個か丸めていくうちに皆さん上手になってきて、きれいなプッラが次々と鉄板の上に並べられていきます。それから二回目の発酵をさせます。今回は幼稚園のお子さんと小学生のお子さんがお母さんと一緒に参加して、大人と一緒に一生懸命プッラの生地を捏ねて上手に生地を丸めていました。

二回目の発酵の時にちょっと一休み。あちこちから楽しそうな会話の声が聞こえてきます。さて、プッラはあっという間に大きく膨らみました。一つひとつプッラの真ん中にコップで溝を作って、そこにトッピングをのせます。鉄板には最初の丸形とは違う形のプッラがきれいに並べられました。それをオーブンに入れて焼き始めます。少し経つとオーブンから美味しそうな香りが教会中に広がりました。

pullaきれいな焼き色になったプッラをオーブンから取り出してよく冷まします。その間にコーヒーやテーブルのセッティング。それからアイシングを作って、冷ましておいたプッラのトッピングの周りに太陽の光の筋の模様を描きました。

そうして、出来たてのアウリンコ・プッラをコーヒー・紅茶と一緒に味わう時間になりました。皆さんと一緒にプッラを頂きながら楽しい歓談のひと時を過ごしました。この時にフィンランドのプッラや太陽についてと、「天地創造の神さまは私たちと共にいる」という聖書のお話がありました。

今回の料理クラブも無事に終えることができて天の神さまに感謝です。次回の料理クラブは5月

11日に予定しています。詳しい案内は教会のホームページをご覧ください。皆さんのご参加をお待ちしています。

 

料理クラブのお話2024年4月13日

ryourikurabuフィンランド人はコーヒーブレッド、Pullaが大好きです。フィンランドには色んな名前のプッラがあります。例えばバター・プッラ、クリスタル・プッラ、ブルーベリー・プッラ、ラフカ・プッラなどなど、そして今日皆さんと一緒に作ったアウリンコ・プッラもその一つです。プッラはフィンランドではコーヒーや紅茶と一緒に食べます。プッラは初めは貴族のおやつでしたが、1880年頃から一般の人も食べるようになりました。その時はプッラは家庭で作られるものではなくお店で買うものでした。第二次世界大戦の後、砂糖やイーストなどプッラの材料が普通に販売されるようになってプッラは多くの家庭で作られるようになりました。昔、プッラは高価なものだったので、イースター、夏至祭、クリスマスのようなお祝いの時しか食べませんでした。他にプッラが出される大事なお祝いとして赤ちゃんの誕生祝いがありました。赤ちゃんが生まれると近所のお母さんたちが大きめで丸い形のプッラを焼いて、それを赤ちゃんが生まれた家族に持って行きました。このプッラは赤ちゃんの誕生をお祝いに来る親戚や近所の人たちをおもてなすために出されるもので、赤ちゃんのお母さんにとって助けになりました。

時代は変わり、プッラは毎日食べられるおやつになって、ほとんどの家庭で毎週プッラを焼くようになりました。奥さんが美味しいプッラを作るのは大事な技能と考えられました。私の母は毎週金曜日にプッラを焼きました。私たち兄弟姉妹が学校から帰ると、焼きたてのプッラの香りが家の外にまで広がったものです。家族みんなで暖かいプッラを冷たい牛乳と一緒に食べました。

プッラを作るのはそんなに簡単ではありません。イーストを使って2回発酵させるので、時々硬くなったり、表面がちぎれることもあります。美味しいプッラが出来るために、時間と発酵の温度は大事です。それから生地を十分にこねることです。今日皆さんは、とても上手にきれいな美味しいプッラを作りました。

今日作ったプッラは太陽のイメージなのでアウリンコ・プッラという名前です。ちょうど2週間前はイースター・復活祭のお祝いがありました。フィンランドでは暗い冬が終わり日光時間が長くなる季節になりました。人々の気分も明るくなります。アウリンコ・プッラはこの季節にピッタリなプッラです。

この季節にフィンランドの教会では天の神さまの創造の業についての讃美歌がよく歌われます。天の神さまは太陽や月、湖や森や人間も造られたという歌詞で始まる明るい感じの歌です。これは子ども向けの讃美歌として歌われますが、大人も大好きです。これから、この讃美歌を一緒に聴きましょう

旧約聖書の一番最初は創世記という書物で、神さまの天地創造について書かれています。神さまは太陽や月や星を造られました。神さまは光と闇を分けられ、太陽は昼、月は夜、この地上を照らすようになりました。私たちは太陽が照る時間が長いと明るい気分になります。逆に照る時間が短いと少し落ち込む気分になるでしょう。私はフィンランドの父に毎週電話しますが、父はいつもフィンランドの天気のことを話しします。去年の秋と今年の春は太陽の照る日が少なかったので、太陽はどこに行ってしまったのかといつもがっかりした様子で話していました。sora

太陽は雲のない青空できれいに輝きますが、空が厚い雲に覆われたら太陽は見えません。しかし太陽は見えない時でも雲の上の空にあります。天の神様も太陽と同じように考えることができます。旧約聖書の申命記という書物には次のように書かれてあります。「主ご自身があなたに先立って行き、主ご自身があなたと共におられる。主はあなたを見放すことも、見捨てられることもない。恐れてはならない。おののいてはならない。」申命記31章8節です。

私たち人間の人生にはいろんな段階、幸せの時、試練や困難の時があります。太陽が青空に輝いている時は幸せや喜びの時とすれば、太陽が雲に覆われて見えない時は試練や困難の時です。試練の時、神さまがいなくなってしまったと思うかもしれません。でもそうではありません。太陽は雲に隠れてしまっても、それは太陽がなくなってしまったのではなく、雲の上で輝いています。天の神さまも同じです。神さまを信じて受け入れると、いつも神さまが共にいて下さるという確信が生まれます。試練の時でも、雲の上で輝く太陽を思えるように、共にいて下さる神さまを思えるようになります。その時、今読んだ申命記のみ言葉は真実になります。天の神さまは見放すことも見捨てることもせず、いつも私たちと共にいて下さるのです。

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