スオミ教会・家庭料理クラブの報告

3月の料理クラブは9日に開催しました。冷たい北風が吹く日でしたが、太陽は明るく輝き春間近を感じさせる日でもありました。今回はイースター・復活祭に向けてパイナップル・ココナツケーキを作りました。

料理クラブはいつもお祈りをしてスタートします。初めにケーキの材料を測ります。小麦粉は測りではなく計量カップで測ると新しい方々はビックリ。ボールのマーガリンと砂糖をハンドミキサーでよく泡立てて他の材料を順番に加えると、生地はあっという間に出来上がります。生地をパイ皿に伸ばしてからオーブンで焼きます。その間にケーキの上にのせるものを準備します。水切りをしたパイナップルを細かく切ったり、トッピングのココナツを鍋で温めます。その時、オーブンからカルダモンの香りが広がってきて、中を見るとケーキもきれな色になってきました。焼き上がったケーキを取り出し、その上にパイナップルをたっぷりのせて、さらにトッピングのココナツをのせます。ケーキを再びオーブンに入れてきれいな焼き色が出るまで待ちます。すると今度はココナツの香ばしい香りが教会中に広がりました。「どんな味になるかなぁ」と皆さん、興味津々。出来上がったケーキはどれもきれいな焼き色がついて美味しそうでした。

今回は段階がいろいろあって作業の交替もあったので、少し忙しい雰囲気になりました。今回はまた幼稚園と小学生のお子さんがお母さんと一緒に参加して、大人たちと一緒に一生懸命にケーキ作りをしました。

出来たてのパイナップル・ココナツケーキを早速コーヒー・紅茶と一緒に味わいます。「美味しい!」の声があちらこちらから聞こえてきました。「カルダモンとパイナップルとココナツの組み合わせがこんなに美味しくなるとは!」と驚きの声もあがりました。こうして皆さんと一緒に美味しさ一杯の雰囲気で歓談の時を過ごしました。この時にフィンランドのイースタ・復活祭や神さまから頂く新しい命についてのお話がありました。

今回の料理クラブも無事に終えることができて天の神さま感謝です。次回の料理クラブは4月13日に予定しています。詳しい案内は教会のホームページをご覧ください。皆さんのご参加をお待ちしています。

 

料理クラブの話2024年3月

イースター復活祭が近づく季節になりました。フィンランドではイースターは一年の中でクリスマスの次に大きなお祝いです。イースターは日曜日になりますが、前の金曜日から翌日の月曜日まで4日間フィンランドは休みになります。この大きなお祝いのために家庭では様々な準備をします。家の掃除を普段より丁寧に行い、イースターのお祝いの料理やいろんなお菓子を作ります。

私の母はイースターのお祝いも大事にして、いろんな種類のケーキやクッキーを作りました。それでいつも早めに準備を始めました。母が毎年必ず作った伝統的なデザートの一つにMämmiというものがあります。それは、ライ麦とライ麦のモルトで作った甘い黒い色のデザートです。作り方はライ麦とモルトをお湯に混ぜて、それを何時間も暖かい場所に置きます。そうすると甘味と黒い色が出ます。それに少しシロップと塩を入れてからオーブンの型に入れて低い温度で何時間も焼きます。母はいつもMämmiを大きい鍋で作りました。作る時に鍋を冷やさなければならないこともありました。冷やすために母は鍋を雪の中に置きました。私たち兄弟姉妹はいつもMämmiを少し早めに味見したかったので、この時を楽しみに待っていました。母が気づかないうちに子供たちは雪の中の鍋の中身を味見して指のあとが鍋の表面に残りました。味見した鍋のものは美味しかったですが、イースターのお祝いの日に出来たてのMämmiに生クリームか牛乳をかけて食べると、Mämmiの本当の美味しさがもっとよく分かりました。Mämmiは今もイースターのデザートの一つですが、作る家庭はあまりありません。お店で買うものになりました。

CC BY-SA 3.0 via Wikimedia CommonsMämmiの色は黒ですが、それはイースターの色ではありません。フィンランドではイースターの色は黄色とうす緑色と言われています。今日皆さんと一緒に作ったパイナップル・ココナツケーキはきれいな黄色なので、イースターにピッタリの色です。このケーキは私が一番初めに先生を務めた専門学校でもイースターのお祝いの時に良く作られました。ケーキの生地に入れるカルダモンとケーキの上にのせるパイナップルとトッピングのココナツは美味しい組み合わせです。フィンランドではパイナップルの他にピーチやアプリコットもイースターのケーキやお菓子の飾り物です。イースターの黄色にピッタリ合うからです。

黄色とうす緑色はどうしてイースターの色でしょうか?それは、イースターは神様から新しい命を頂くお祝いなので、黄色は卵の中から出るひよこの色、うす緑色は木の新しい葉っぱの色になり、それで新しい命を象徴する色になるのです。

ところで、最近フィンランドの女性の雑誌には、人はどのように新しく変わるかという記事がいろいろあります。人はどのように変わるでしょうか?私たちは外見を変えることで新しくなりたいと思うことがあります。髪の型を違うものにしたり、素敵な新しい服を着たりすることで、外見を変えることが出来ます。それで自分自身が新しく変わったと感じるでしょう。しかし、しばらく時間が経つと、また新しく変わることを望むでしょう。私たちはもっと深い意味で人生を新しく変えることを望むこともあります。

聖書の中には多くの人たちの人生が新しく変わったことについて書いてあります。一つの有名な話を紹介したく思います。それは、ザアカイという人の話です。ザアカイの人生はどのように新しく変わったでしょうか?

イエス様がエリコという町に来られた時の話です。大勢の群衆がイエス様を出迎えました。町には徴税人で大金持ちのザアカイという人が住んでいました。ザアカイは人々から決まり以上の税金を取ってお金儲けをしていたので人々から嫌われていました。ザアカイはイエス様を一目見たいと思いましたが、背が低かったので群衆に遮られて見ることが出来ません。そこで、道端にある大きなイチジクの木に登りました。木の上からだったらイエスがよく見えるでしょう。2006-09-08 by MMBOX PRODUCTION, www.christiancliparts.netザアカイは木の上からイエス様が道を歩いて来られるのを見ていました。するとイエス様は、ザアカイがいる木の方に近づいて来て、木の下で立ち止まって、見上げて大きな声で言いました。「ザアカイ、急いで降りてきなさい。今日はあなたの家に泊まろう。」これを聞いた群衆は驚いて言いました。「なんでイエス様は、あのような罪深い男の家に行くのだろう?」

ザアカイはどうしたでしょうか?彼は急いで木の上から降りてきて、イエス様を自分の家に連れて行きました。イエス様はザアカイが人々に嫌われていたことをご存知でした。イエス様はザアカイの家で神様について教えました。それを聞いたザアカイは、「主よ、私がしたことは間違いでした。これからは心を入れ替えます。今までだましとってきたお金を四倍にしてみんなに返します。」と言いました。それを聞いたイエス様は、「今日、神様はこの家の人たちを救って下さいました。」と言われました。ザアカイはイエス様を受け入れて、彼が世の救い主であることを信じるようになったので、人生が新しく変わったのでした。

このようにイエス様はザアカイがいるところに立ち止まって、自分のもとに来るように呼ばれました。イエス様は私たちがいるところも良くご存じで私たちのことも名前で呼ばれます。私たちもイエス様を受け入れると、ザアカイと同じように新しいものに変わってイエス様と共に人生を歩むようになります。イエス様の姿は見えませんが、イエス様は「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」と聖書で言われています。

私たちはイースターの時期に自然も新しく変わることを見ることが出来ます。これから咲く桜の花もその一つです。それまで枯れたような桜の木がピンク色の花で一杯になると、いつもイースター・復活祭の新しい命のことを思い出させます。皆さんも今年は桜を見てイースターの喜ばしいメッセージを覚えて下さい。

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