牧師の週報コラム

ルターの御言葉の説き明かし「救いの希望は私たちの兜」(第一テサロニケ5章8節)フィンランドの聖書日課「神の子へのマンナ」(1878年初版)12月31日の個所

「この救いの兜が意味するものは何か?それは、天の御国にある次の命を待ち望む希望のことである。それゆえ、我々はイエス様を救い主と信じ、困難苦難を一挙に引き受けるのである。もしこの希望がなければ、我々は襲いかかる攻撃を防ぐことはできないだろう。我々は、悪魔やこの世が絶えず我々を悲惨な目に遭わせるのを毎日見て知っているではないか。もし、有限でこの世的な利益のためにこれら全てを耐え忍ばなければならないのなら、死んだ方がましだということになろう。使徒パウロも言っているではないか、「もし、私たちがこの世の人生に関わるものだけのためにキリストに希望を置くならば、我々は全ての人間の中で一番惨めな者である」と。

私自身はどうかと言うと、国を3つほどあげようと言われても、この世では1時間たりとも説教壇に立ちたくないというくらいに攻撃には晒されたくないという気持ちになる。しかしながら、だからこそ、我々には本当に心を強めてくれる別のものが必要なのだ。悪魔やこの世が一体となって私たちの魂と体を激しく攻撃し、あたかも我々が成すこと耐え忍ぶこと一切が無駄で無益であるかのように我々を追い込んでいくのだから、なおさらだ。

我々の心を強めてくれるものは、次のように信じる信仰がそれだ。『我々は、イエス・キリストを信じる。彼は、この世と罪と悪魔とその他全てのものの上に立つ主であると。彼を通して我々には今の世の次に到来する世にて命が確実にあると。それで、我々を今の世の悲惨さや苦しみから救い出し、今我々を責め苦しめるものを全て足で蹴散らされる方であると。』

私たちにはこのような救い主が与えられていること、彼がいつも私たちと共に歩んでいて下さることを忘れずに、来年も進んでまいりましょう!

 

新規の投稿
  • 2025年10月12日(日)聖霊降臨後第18主日 礼拝 説教 吉村博明 牧師
    主日礼拝説教 2025年10月12日(聖霊降臨後第18主日)スオミ教会 列王記下5章1~3、7~15b節 第二テモテ2章1~15節 ルカ17章11~19節 説教題 「いつどこででも主なる神に感謝するのは当然であり相応しい」 私たちの父なる神と主イエス・キリストから恵みと平安とが、あなたがたにあるように。 アーメン […もっと見る]
  • 子どもの料理教室のご案内 11月1日 10時30分~13時
  • スオミ教会 手芸クラブのご案内
    次回は10月29日(水)10時~13時に開催します。 フィンランド風の刺繍を作ってみませんか。 次の手芸クラブは、前回に続いて刺繡はフィンランド風の刺繡をします。 刺繡はフィンランドでは何世紀にもわたって親しまれている手芸の一つです。今でも多くの人気があります。小さなクロスステッチで作った花などの模様は服やインテリアに可愛らしい趣きを増やします。 […もっと見る]
  • フィンランド家庭料理クラブの報告
    秋の最初のフィンランド家庭料理クラブは10月11日に開催しました。小雨がぱらつく一日でしたが、教会の中は爽やかで明るい雰囲気でした。今回はこの季節にフィンランドの家庭でよく作られるリンゴ・ケーキを作りました。 […もっと見る]
  • 牧師の週報コラム
    ルターによる御言葉の説き明かし ― フィンランドの聖書日課「神の子らへのマンナ」10月9日の日課から 「ところで、今はあなたがたも、悲しんでいる。しかし、わたしは再びあなたがたと会い、あなたがたは心から喜ぶことになる。」 最後の晩餐の席で主イエスが弟子たちに述べた言葉から(ヨハネ16章22節) […もっと見る]
  • 歳時記
    萩(Hagi) <風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞くが、それがどこからきて、どこへ行くかは知らない。霊から生れる者もみな、それと同じである」 ヨハネ3:8> […もっと見る]