牧師の週報コラム 

キリスト信仰者の生と死は天と地の有り様と連動する

先日、新聞の土曜版に「自分が死んだ後、お墓にはいりたいかどうか」という調査に対して2,662人から回答があり、以下はその結果(朝日11月18日)

お墓に入りたいですか? 「はい」39%、「いいえ」61%

「はい」と答えた人、その理由は(複数回答、上位6位)

①入れる墓がある(559人)、②家族、親族と一緒にいたい(344人)③残された人の慰めになる(233人)、④日本の習慣、当たり前(231人)、⑤思い出してもらえる(209人)、⑥家族のシンボル、心の拠りどころ(192人)

「いいえ」と答えた人、その理由は(複数回答、上位6位)

①子孫に負担を残したくない(872人)、②シンボル、よりどころと思わない(486人)、③他の方法を希望する(361人)、④証しを残したいと思わない(348人)、⑤お墓がない(339人)、⑥墓参りをする人がいない(241人)

死後、どうすごしますか?全員が回答(複数回答)

①死んだら終わり(984人)、②家族を見守る(795人)、③あの世でのんびり(716人)、④あの世の家族や友人らと(544人)、⑤思い出の地を訪ねる(211人)、⑥リゾート、景勝地でのんびり(234人)

この調査結果で一つ驚いたことは、「お墓に入りたい」がこんなに少数派で、しかもその中でも「日本の習慣、当たり前」というのが4番目だったことです。解説記事には「墓は家で継承するという考え方は、明治民法下の『家制度』のもとで確立したとされる」とありました。それが本当ならば、その考え方は長い長い日本民族の歴史の中で130年程度のことになります。実はそんなに根付いていなかったということなのでしょうか?

死後の過ごしかたの回答は私たちの周りでよく聞かれるものではないかと思います。なかでも②、⑤、⑥は、死んだ後もこの世と関係を保てるという見方でしょう。キリスト信仰は、復活の日にイエス様に眠りから目覚めさせてもらって神の御国に迎え入れられるという見方です。なのでその日までどうするのかと言うと、宗教改革のルターも言うように、神のみぞ知る所で安らかな眠りにつくということになります。それから復活の日というのも、今ある天と地が終わって新しく天地が創造される時のことです。なので、目覚めたら、もう今の世はなくなっているので、誰かを見守ってあげることもリゾート観光もできません。③と④も、キリスト信仰では天と地が新しく創造された後のことです。①はキリスト信仰と全く相容れません。

このように見ていくと、キリスト信仰者の生と死は天と地の有り様と連動していると言えます。それ位、一人の人間の生と死は大いなることなのです。

新規の投稿
  • 2025年5月4日(日) 復活節第三主日 礼拝 説教 吉村博明 牧師
    スオミ・キリスト教会 主日礼拝説教 2025年5月4日 復活節第三主日 使徒言行録9章1節-20節 黙示録5章11節-14節 ヨハネ21章1-19節 説教題 「現代日本における神の愛と栄光の表し方に関する一考察 私たちの父なる神と主イエス・キリストから恵みと平安とが、あなたがたにあるように。アーメン […もっと見る]
  • 牧師の週報コラム 
    ルターの聖句の説き明かし(フィンランドの聖書日課 「神の子らへのマンナ」4月29日の日課 […もっと見る]
  • 歳時記
    杜若・カキツバタ・Kakitsubata <15 人は、そのよわいは草のごとく、その栄えは野の花にひとしい。 16 風がその上を過ぎると、うせて跡なく、その場所にきいても、もはやそれを知らない。 詩編103:15・16> […もっと見る]
  • 牧師の週報コラム
     ルターの聖句の説き明かし(フィンランドの聖書日課 「神の子らへのマンナ」4月17日の日課 「その一人の方は全ての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。」(第二コリント5章15節) […もっと見る]
  • 手芸クラブの報告
    4月の手芸クラブは23日に開催しました。暖かい雨の日で梅雨を思わせる陽気でしたが、今は色んな花が咲いているので、とても美しい季節です。 今回の作品は前回に続いてバンド織りのキーホルダーです。はじめに前回と同じように参加者がキーホルダーの毛糸の色を選びます。選んだ毛糸でどんなキーホルダーが出来るか楽しみです。 […もっと見る]
  • スオミ教会・フィンランド家庭料理クラブのご案内
    5月の料理クラブは10日(土)13時から開催します。 今フィンランドでも春の季節が深まってきています!5月の料理クラブではフィンランドの伝統的なドーナツ「ムンキ」を作ります。表面はサクサク、中身はソフトな甘いムンキの秘密はプッラの生地で作ること。 […もっと見る]
  • 子ども料理教室の報告
    子ども料理教室は4月19日に開催しました。この日はちょうどイースター/復活祭の前日だったので、みんなでイースター・パイナップル・マフィンを作ってイースター・エッグの飾りつけをしました。 […もっと見る]