お気軽にお問い合わせください。
TEL 03-6233-7109
東京都新宿区早稲田鶴巻町511-4-106

牧師の週報コラム 

 無神論者とキリスト教徒が一致するところ

以下の文章は、トム・ホランド Tom Hollandという英国の無神論者の歴史家がキリスト教について論評したものを、ステフェン・ジェフコ―ト Stephen Jeffcoatという米国の牧師が引用したものです(同牧師の2021年6月18日付のFacebook投稿から)。因みに、欧米で「無神論者」と言ったら、たいていはキリスト教を標的にする人たちのことです。

『あなたがキリスト教に賛同しようがしまいが、無神論者の歴史家ホランドが次のような興味深い論評をしているのです。彼は古代世界を研究して、あることに気づいたと記しています。それは、古代人はただ単に残酷なだけで、彼らの価値観は自分にとって全く異質なものだということでした。スパルタ人にとって”不完全な”子供の始末は日常のことだったし、奴隷の身体は権力を持つ者たちの肉体的な快楽のアウトレットのように扱われていた、嬰児殺しは広く行われていた慣行で、貧しい者、弱い者には何の権利もなかったと。

 我々はどのようにしてそのような世界から脱することができたのか?キリスト教があったからだ、とホランドは書いています。キリスト教は男たちに自身をコントロールすることを要求し、あらゆる形態の強制性交を禁止して、性と結婚に革命を起こしたのだと。キリスト教が人間の性的営みを一夫一婦制の中に封じ込めたのだと。そして、ホランドも指摘しているように、皮肉なことは、今日キリスト教が嘲笑を浴びる原因になっているのが、他でもないこれらのスタンダードであるということ。しかし、いずれにしても、キリスト教が女性の価値を高めたことは否定できない事実である。簡単に言えば、キリスト教は世界をすっかり変えてしまったのだと。(了)』

同じような結論は、フィンランドの聖書学者エルッキ・コスケンニエミ Erkki Koskenniemiの研究書「古典時代ギリシャ・ローマ世界の嬰児遺棄の慣習に対するユダヤ・キリスト教の戦い」にも見られます。コスケンニエミはキリスト教徒。無神論者とキリスト教徒が同じ結論に達する位、キリスト教は古代世界の性モラルを根底から変えたのでした。

 

スオミ教会のシンボル - 白樺の十字架
スオミ教会のシンボル - 白樺の十字架

 

 

新規の投稿
  • 2025年8月17日(日)聖霊降臨後第十主日 主日礼拝
    司式・説教 木村 長政 名誉牧師(日本福音ルーテル教会) 聖書日課 コヘレト1章2、12~14節 2章18~23節 コロサイ3章1~11節 ルカ12章13~21節 説教題 「愚かな金持ちのらとえ」 讃美歌 213 朝つゆに輝き咲ける 358 こころこめて 480 罪のこの世に 402 うれしき恵みよ 特別の祈り 全知全能の父なるみ神よ。 […もっと見る]
  • 歳時記
    飯豊リンドウ  <28  また、なぜ、着物のことで思いわずらうのか。野の花がどうして育っているか、考えて見るがよ い。働きもせず、紡ぎもしない。 29  しかし、あなたがたに言うが、栄華をきわめた時のソロモンでさえ、この花の一つほどに着飾ってはいなかった。  マタイ6:28・29 > […もっと見る]
  • 2025年8月10日(日)聖霊降臨後第九主日 主日礼拝 説教 田口聖 牧師(日本ルーテル同胞教団)
    ルカによる福音書12章35〜40節 説教題:「賜物である信仰に生かされる歩み」 私たちの父なる神と主イエス・キリストから恵みと平安とが、あなたがたにあるように。 アーメン わたしたちの主イエス・キリストにあって兄弟姉妹でおられる皆様 1、「はじめに」 […もっと見る]
  • 歳時記
    ヘ長調は緑色 […もっと見る]
  • 歳時記
    宵待ち草(Yoimachikusa)  <神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終りまで見きわめることはできない。 コヘレト3:11> […もっと見る]