フインランド家庭料理クラブの話、パイヴィ 吉村宣教師

料理クラブの話「ムンッキ」5月14日

今日作ったドーナツはフィンランド語でムンキと言います。パンの生地で作るムンキはフィンランドでは伝統的なお菓子で、5月1日に多くの家庭で作られます。この他にレモンを発酵させて作る甘酸っぱいレモナードも作ります。フィンランド語でシマと言います。これをムンキと一緒に味わいます。5月1日のことをフィンランド語でヴァップと言います。ヴァップはフィンランドでは休みの日で、春の大きなお祝いの日です。メーデーとして労働者たちの日でもあるし、また高校を卒業する人たちのお祝いの日でもあります。フィンランドでは高校を卒業すると白い帽子を贈られるので、ヴァップの日には町には白い帽子をかぶって歩く人が沢山見られます。

ヴァップの日にはいろいろな過ごし方があります。若者たちや町に住んでいる人たちは、バザーや遊園地などに出かけます。町はにぎやかな雰囲気で、音楽やスピーチがあちこちから聞こえ、子供たちは風船や笛などを持って歩いています。しかし町に行かない人もいます。例えば別荘を持っている人たちはそこに行って、秋まで休日はほとんど毎週別荘で過ごすようになります。

田舎でヴァップをどのように過ごすかと言うと、普通に農業の仕事をしたり、家の庭の掃除をしたりする人が多く、あまり普通の日とかわりありません。田舎の家庭でもムンキとシマを作って味わいます。

私は田舎で育ったので、町のヴァップの過ごし方は好きではありません。子供のころ、5月1日は父が畑を耕したり種を蒔いたりして、親にとってヴァップの時期は農家の仕事が一番忙しい時でした。私は兄弟姉妹たちと一緒に毎年家の近くの森にハイキングに行って、食料品も持って行ってご飯を作ったりして、一日中森の中で過ごしました。ヴァップの日が近づくと、私たちは前もって良い場所を探しに行って、落ちた葉っぱなどは箒ではいて場所をきれいに掃除しました。ヴァップの日の朝早く荷物をまとめて、皆で森に行きました。森の中でする一つ大きなことはたき火でした。子供たちがたき火をするのは危ないことかもしれません。森の火事の危険があるからです。それで、たき火をする時はいつも父と母が見に来ました。またフィンランドはいつも5月の初めはまだ地面はぬれているので、たき火をしても大丈夫でした。よく燃える木を探したり燃やしたりするのは大変な仕事でした。たき火がついたら、ジャガイモを茹でたり、ソーゼージを焼いたりして、またコーヒーもわかしました。森の中で食べたごはんやおやつは家の中で食べるよりもっと美味しく感じられました。もちろん、そこでムンキとシマも味わいました。

ご飯を作ったり食べることのほかにハイキングで楽しかったことは、木に登ったり、小川で遊ぶことでした。家に帰ると、服は煙の臭いがして土が付いて汚くなったので、時々母に怒られました。でも子供たちには楽しい思い出になったのです。フィンランドにいる兄弟姉妹たちは今も5月1日に自分たちの家族と一緒に実家に行って皆で同じ森にハイキングに行きます。仕事を引退した父も一緒に行けるので、彼は孫たちにたき火の付け方を教えます。

春にハイキングに行ったり、自然の中を散歩しながら新しい緑やきれいな花を見ると、私はいつも旧約聖書の詩編23篇を思い出します。それは、聖書を読む人ならだれでも知っていると言えるくらい有名な箇所です。私はこの箇所を読むと、神様の人間に対する愛が現れてくるので、いつも安心と感謝の気持ちで一杯になります。

この詩篇は、「主は羊飼い、私には何も欠けることがない」という文で始まります。「羊飼い」とは天と地と人間を造られた神様のこと、「羊」は私たち人間を意味します。今の時代に羊飼いの仕事をしている人はあまりいませんが、かつて羊飼いは普通の仕事でした。羊は弱くて、野生動物に簡単に捕まえられて食べられてしまいます。そのために羊飼いは羊を守って、野生動物に捕まらないように導いていきます。

羊飼いが羊を守りながら導くように、神様が私たちを守って導いてくださいます。もし人間を造られた神様が私たちの羊飼いならば、神様は信頼して大丈夫な方です。神様の導きのうちに生活する時には大きな安心があります。それでは、神様はどのように私たちを導いてくださるのでしょうか?

この詩篇には「主はみ名にふさわしく、正しい道に導かれる」と書いてあります。神様は私たちの全てのことをご存じで、いつも歩むべき道を示してくださいます。神様は私たちを愛して下さるので、いつも良い道を示してくださいます。ただ、神様が導いてくださる道は様々です。「きれいな青草の原、憩いの水ほとり、死の陰の谷」などがあります。私たちの人生の中には喜ばしいことや悲しいことがいろいろあります。もちろん私たちは喜ばしいことを望んでいます。それで、悲しいことが起こると、受け入れるのは簡単ではありません。しかし神様はいろんな時、喜ばしい時も悲しい時もいつも共にいてくださいます。

この詩篇には「死の陰の谷を行くときも私は災いを恐れない。あなたが私と共にいてくださる」と書いてあります。神様は私たちが欲しいものを全部は与えませんが、私たちは神様の導きに従って歩む時、私たちは何も欠けることがなく、恐れることもありません。私たちは羊と同じように時々神様の道から離れてしまします。羊が羊飼いの声を聞かないで違う方向に行こうとする場合、羊飼いは杖で羊を軽く叩いて導きます。私たちの場合はどうでしょうか?神様は、私たちが神様の声を聞かない時、羊飼いと同じように杖を使って導いてくださいます。杖軽くで叩かれると、痛みを感じます。でも、それも人間を造られた神様の私たちに対する愛の業です。

この詩篇にはまたこう書いてあります。「命のある限り恵みと慈しみはいつも私を追う。」神様は、私たちのために神様のもとに行ける道を用意して下さり、いつもその道で私たちを導いてくださるのです。神様のもとに行ける道とは、神様の子イエス様のことです。イエス様は罪を持たない神様の子でしたが、人間が罪の罰を受けないようにと、自分が身がわりになって十字架にかけれて死なれました。このおかげで、私たちの罪が全部許されて、この世の中でも、またこの世が終わってもいつも永遠に神様と一緒にいることができるようになりました。神様がイエス様を私たちのために送ってくださったことに、神様の人間に対する愛が現れているのです。

私たちもこの良い羊飼いに従って行きましょう。「私は良い羊飼いである。私は自分の羊を知っており、羊も私を知っている。」ヨハネによる福音書10章14節

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