スオミ教会・フィンランド家庭料理クラブの報告

12月のスオミ教会・料理クラブは11日に開催されました。今回はクリスマスの季節フィンランドの家庭でもよく作られる”プッラのヨウル・クランシ(クリスマス・リース)”です。

初めにいつものようにお祈りをしてスタート。まず、プッラの生地を作ります。パン生地なので良く捏ねてから暖かい場所において一回目の発酵です。その間に中身の準備をします。レーズンとチェリーを細かく切って、砂糖にシナモン、クローブなどのスパイスを混ぜてスパイス・シュガーにします。プッラの生地が大きく膨らんだらクランシ(リース)を形作るタイミング。生地をロールにして切り型にのせます。それから二回目の発酵にさらします。

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生地が発行している間、フィンランドのクリスマスの過ごし方についてのビデオを見て一休み。発酵したクランシをオーブンに入れて焼き始めると教会はクリスマスの香りで一杯になりました。

焼きあがった「ヨウル・クランシ」を切って分けます。北欧のクリスマスのホットドリンク「グリョッギ」と一緒に頂きました。ふっくらしたプッラと温かいドリンクを味わいながら、フィンランドのクリスマスとイエス様の誕生についてのお話を聞きました。

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料理クラブが終わると教会の玄関前のイルミネーションが輝き出し、中も外もクリスマスの雰囲気に満たされました!

次回の料理クラブは新年のあと1月に開催します。日程等くわしくは教会のホームページの案内をご覧ください。次回は何を作るか、ぜひお楽しみに!

それでは皆さま、天の父なる神さまが祝福されたクリスマスをお迎え下さい!

 

料理クラブ2021年12月11日クリスマスのお話

今クリスマスがどんどん近づいています。店にはもう一か月以上前にクリスマスケーキや飾り物が並び始めました。クリスマスのイルミネーションもあちこちで見られます。この季節になるとフィンランドの多くの家庭ではクリスマスの準備をします。大事な準備の一つはクリスマスのお菓子を作ることです。クリスマスの季節になると普段あまりお菓子を作らない家庭でも、お菓子を焼いて家中はシナモン、グローブなどのスパイスの香りがします。これはクリスマスの香りとも呼ばれます。

フィンランドではクリスマスのお菓子の種類は多くてその中で、お菓子パンはクリスマスのテーブルの目を引く物です。お菓子パンも種類が多く今日作ったヨウル・クランシも普通です。パンの中身にはドライフルーツ、アーモンド、ナッツ、クリスマスのスパイスが入って美味しい高価なお菓子パンになります。ヨウル・クランシの形は普通は丸くて真ん中に穴があります。

kuusenpalloフィンランドではクリスマスのお祝いの過ごし方には長い伝統があります。家族それぞれに親の世代から受けついだ過ごし方を守ります。家族のクリスマスの過ごし方を守ることでクリスマスの雰囲気を高めます。

わたしたちがフィンランドにいた時もクリスマスの過ごし方は毎年同じでした。ある年のクリスマスの前に一つ大変なことが起こりました。ちょうどクリスマスの二日前に博明の腰が痛み出してもう歩けなくなりました。初めに市の病院に行きましたが、そこでは治すことは出来ませんでした。私は娘と息子と一緒に博明の状態を病院に見に行ったら、ちょどその時博明は大学病院に連れていくために救急車に運ばれるところでした。子どもたちはそれを見て少しショックを受けて、娘は「今年クリスマスは私たちには来ない」と言って泣き始めました。息子もつられて泣き出してしまいました。博明は大学病院に運ばれましたが、その夜タクシーに乗って家に帰ってきました。完全に治ってはいませんでしたが、私たちは家で家族皆でクリスマスのお祝いをすることが出来ました。

この出来はとても印象に残りました。特に娘の言葉「今年クリスマスは私たちには来ない」が耳に残りました。その意味は、私たちは例年と同じように家族皆でクリスマスのお祝いが出来ない、だからクリスマスの雰囲気にならないので、クリスマスは来ないという意味でした。しかし、どうでしょうか。クリスマスは私たちの状況に関係してあるでしょうか。そうではありません。クリスマスのお祝いは聖書に書いてあるメッセージから生まれます。それは私たちの状況やクリスマスの準備で作った雰囲気と関係なく、毎年同じメッセージから生まれます。

今から2千年前の一番初めのクリスマスの出来事を聖書で読むと、クリスマスの深いメッセージが伝わってきます。聖書には最初のクリスマスの出来事、天の神様の一人子イエス様の誕生について書いてある有名な箇所があります。「ルカによる福音書」の2章1-20節です。11-12節をみると、一番初めのクリスマスの夜に野原で羊の番をしていた羊飼いに天使が現れたことが書いてあります。「天使は言った。『恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなた方のために救い主がお生まれになった。その方こそ主メシアである。』」tenshi

この一番最初のクリスマスに、この世の救い主がお生まれになりました。それは神様のひとり子イエス様でした。イエス様がお生まれになった時、私たちのクリスマスのような素敵な雰囲気があったでしょうか?イエス様はどこで生まれましたか?ベツレヘムという町の馬小屋でお生まれになりました。ロバや馬や牛がいる馬小屋は汚くて臭くて寒い場所だったでしょう。その時旅をしていた母マリアとヨセフには泊まる場所は他にありませんでした。他の宿屋はもう一杯でした。このように救い主イエス様は素敵な雰囲気なんか何もない場所でお生まれになりました。しかし、救い主のイエス様が本当に私たち一人一人のためにお生まれになったということは、私たちにクリスマスの本当の喜びを与えてくれます。この喜びのメッセージは、雰囲気とか、クリスマスの準備やいる場所に関係なく、世界の全ての人々、喜んでいる人たちにも悲しんでいる人たちにも、クリスマスの準備をする人たちにもしない人たちにも皆に与えられました。クリスマスは必ず毎年クリスマスのメッセージを通してお祝いします。クリスマスのメッセージを聞いたら、あとはイエス様を自分の救い主として受け入れるだけです。

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イエス様を自分の救い主として受け入れると、天使が羊飼いに言った「恐れるな」という言葉は私たちにもその通りになります。生活の中には心配や怖いことが沢山あると思います。今世界中で広がっているコロナ感染、自然災害などは怖いことです。自然災害は私たち人間の力では解決は出来ません。しかしクリスマスのメッセージ「今日ダビデの町で、あなた方のために救い主がお生まれになった。その方こそ主メシアである。」これを心で受け取ると、天使の言葉「恐れるな」は私たちの毎日の生活の中で実現すると思います。

クリスマスにお生まれになった救い主は私たちと共に歩んでくださると、聖書に約束さています。だから何も怖がる必要もありません。

今年のクリスマスが皆さんにとって喜びを与えるお祝いになりますように。

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