歳時記

新年あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

写真に写っているのは明治23年(1890年)頃の新宿区戸塚町です、現在はこの戸塚町はありませんが今の早稲田中学校のあたりです。ですからこの景色はまさにスオミ教会のある鶴巻町のごく近くです、明治時代はこんな田圃のある所だったのですね。夏目漱石の住んでいたのは早稲田通りの南側の喜久井町でした。正岡子規と一緒に散歩したのが関口町付近ですからこれも教会のすぐ近くです。正岡子規の「墨汁一滴」と言う随筆があり、その中に「稲」と「米」について漱石が東京生まれで田んぼのそばに住んでいたにもかかわらず、稲が実り米になると言う事を知らずにいたことを記したのがありますのでその一節を「・・・余が漱石と共に高等中学に居た頃漱石の内をおとづれた。漱石の内は牛込の喜久井町で田圃からは一丁か二丁しかへだたつてゐない処である。漱石は子供の時からそこに成長したのだ。余は漱石と二人田圃を散歩して早稲田から関口の方へ往たが大方六月頃の事であつたらう、そこらの水田に植ゑられたばかりの苗がそよいで居るのは誠に善い心持であつた。この時余が驚いた事は、漱石は、我々が平生喰ふ所の米はこの苗の実である事を知らなかつたといふ事である。都人士の菽麦を弁ぜざる事は往々この類である。もし都の人が一匹の人間にならうといふのはどうしても一度は鄙住居いをせねばならぬ。・・・」とユーモラスに記しています。

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